YouTubeで世界を近くする試み—ケニアのチェカTVを推す-(松沢呉一)
「銭湯好きのギニア人がきっかけで2009年の「血の月曜日」を知ることになった—ギニアのクーデターその後」の続きです。
チェカTVでケニア人の顔を知る
内戦やクーデター、プロテストの報道や動画をいくら観ていても、その国の人たちの生活までは見えてこない。その意味で役に立つのはアフリカにいる日本人の動画です。日本語ですし、日本人が知りたいことを教えてくれます。
もっとも観ているのはケニアのチェカTVです。
人気があるので、いまさら私が紹介するまでもないと思いつつ、昨日これが公開されていたので、このタイミングでチェカTVを取り上げておくことにしました。
オリビアさんが言っているように、チェカ(cheka)はスワヒリ語で「笑顔」の意味だそうです(Google翻訳だと「笑う」という動詞で、「笑い」はkicheko、「笑顔」はtabasamuと出てきますが、スワヒリ語はエリアによって相当違いそうです)。
チェカTVはナイロビで日本料理+カフェの「チェカフェ」を経営しているユーキさんが中心でやっています。多くの国で日本料理は高級料理の部類で、ケニアでも日本料理を食べに来るのはおおむね富裕層。資産はなくとも外資系など給料のいい仕事に就いている人たちでしょう。
しかし、ユーキさんは自分の店でもスラム出身者やシングルマザーを積極的に雇用していて、こういった炊き出しも時々やっています。金持ちにはうまいもん食わせて金を出させて、貧しい層に金を回す。
炊き出しは何度かやっているのですが、今回のシャンギリアは広くてきれいで立派だなあ。ケニア人によって設立され、運営されているのですが、中に出てくるパネルに書かれているように、支援しているのはドイツの団体です。
日本も頑張ってますけど、アフリカ大陸におけるヨーロッパの政府や民間団体の支援は手厚い。植民地時代の流れから、英国、仏国が関与し続けているのは当然として、それ以外の国もそうなのです。それが果たしてうまくいったのかどうかの問題はあれども。
チェカTVを観てなかったら、一生この施設のことを知らなかったでしょう。
まだケニア人の顔の識別は難しい
人がおいしいものを食って幸せになっているところを見ると腹いっぱいになります。こんなことを言うのは照れますが、観ている私も幸せな顔になってます。
子どもたちがメチャかわいいべ。愛想のいい子はもちろんかわいい。無愛想な子もまたかわいい。赤ん坊のかわいさがよくわからない欠陥のある私ですが、3歳から10歳くらいの子どもはホントにかわいい。
ここの女の子たちは髪の毛を編んでいたり、束ねていたりと、個性があるし、服装も自由なので、まだ識別可能ですが、それは顔の識別ではないような。事実、男の子だと難しくなります。
大人になると識別しやすくはなりますが、それでも日本人や東アジアの人たちに比べると難しい。南アジアの人たちに比べても難しい。
脳内顔識別機能にデータを多数ぶち込んでいるので、エチオピアのアムハラ人はわりと識別できるのですが、ケニア人はまだ難しい。
それでもチェカTVを観ているうちに、チェカTVのスタッフであるアントニーさん、従業員のケネディさんやオリビアさん、ロドニーさんなど、何人かのケニア人の顔は覚えました。チェカTVに出ている頻度が高く、かつキャラが濃いと認知度が上がります。
ただし、このフレームの中で覚えただけで、道で会ってもわからんかも。
アフリカ布のマスク
ケニアのマスクは以前から注目していたわけですが、チェカTVもアフリカ布のマスクを製造・販売しています。
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