アイダはNJとNYもズタズタにして去っていった—マダガスカルでは気候変動による飢餓が始まっている-(松沢呉一)
「ハリケーンと山火事だけではない米国の環境危機—北米と地中海沿岸だけでもない」の続きです。
アイダはニュージャージーとニューヨークでも記録更新
温帯低気圧になったはずのアイダがまさかの展開で記録を更新し続けました。
この動画には出ていないですが、ニュージャージーでもニューヨークでも観測始まって以来の降雨量を記録していて、報道でも「記録的」「歴史的」という言葉が繰り返し使われています。
この動画では死者5名と言ってますが、日本時間9月2日21時現在で9名の死亡が確認されていて、さらに増えそうです。
ニュージャージーでは車に閉じ込められ、ニューヨークでは地下に閉じ込められての死亡です。ニューヨークでは地下を借りて住んでいる人たちが多いですから。地下と言っても、外階段から地下に降りたり、部屋の高いところに換気用の窓があったりしますが、濁流が入り込んできたらあっという間に満杯になってドアも開けられなくなります。
竜巻も記録的
映像の最後に崩壊した家が出ていますが、あれはニュージャージーの竜巻によるものです。
この映像にはないですが、潰された家にいた人たちの救助も行われています。今のところ、竜巻で亡くなった人はいないようですが、負傷者多数。
ニュージャージーでの竜巻自体は珍しくなく、数年に1度は藤田スケールに入る規模のものが起きてます。藤田スケールはシカゴ大学の教授であった気象学者、藤田哲也による竜巻の被害から規模を示すもので、下はEFoから上はEF5まであります。その内容はWikipediaを参照のこと。
今回はまだ判定が出ていないですが、今まではEF0か1ばかりなのに対して、今回はEF2か3になりそう。だとすると、これも記録的。複数起きたようなので、これも記録的。
大きな声では言えないですが、私は竜巻がわりと好きで、竜巻を追うトルネード・ハンターたちの気持ちは重々わかります。追うのはいいけど、追われるのはイヤだな。
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