松沢呉一のビバノン・ライフ

現地語を話そうとしない人たちの特性—ケニアの中国人とタイの中国人-(松沢呉一)

 

 

中国人は現地語を話そうとしない傾向

 

vivanon_sentence東京オリンピック女子5,000メートル4位のアグネス・ティロップ選手が殺された—ケニアの英語とスワヒリ語」に続いて、シンノスケ氏に登場してもらいます。

 

 

 

この動画だけではないですが、ケニアの人たちにとって日本人と中国人は似ていて、見分けがつかないという話がしばしば出てきます。そりゃそうです。彼らからしてみりゃ、見た目は一緒。私だって見た目だけで中国人を完全に見抜くことは難しい。

しかし、それでも差があって、この中に、「中国人は英語を話さない」と言っているタンザニア人が出てきます。その点、シンノスケ氏は英語はもちろん、スワヒリ語まで話します。それだけで好感度が高い。

これはたまたまではなく、セルジュ・ミッシェル/ミッシェル・ブーレ著『アフリカを食い荒らす中国』に中国人の特性として挙げられていた「中国語しか話さない。中華料理しか食べない。中国人しか信用しない(ここでの中国人は漢族です)」は、さまざまなところで見られます。

もちろん、中国人のすべてがどこでもつねにそうであるはずはなく、また、中国人以外でもこういう人たちはいます。

日本で私が接することのある中国人はだいたい接客業ですから、日本語を話せないと商売にならない。また、日本語学校の学生も日本語を覚えないと大学や専門学校に入れず、就職もできない。この層を見ていると誤解してしまいますが、中国人は現地の言葉を話そうとしない傾向があるのは間違いなさそうです。

 

 

日本人と中国人と韓国人の見分け方

 

vivanon_sentence以下はバンコク在住のTJによるチャンネル。仮はタイ+日本人の混血で、どちらの言葉も話せます。

 

 

この回はナイス。私も30年前にタイで不思議に思ったことがあります。客引きが「コンニチワ」とか「シャッチョサーン」と声をかけてくるのです。

私はタイ人とミャンマー人とベトナム人を区別するのはほとんど不可能。タイだけは何度か行ってますし、日本在住のタイ人とつきあいがあったりして、古くなっているにしてもデータがインプットされています。もっとも近代化が早かったのがタイなので、服装や髪型までを含めれば、偶然当たる以上に区別できそうですが、ミャンマー人とベトナム人の区別は無理。カンボジア人も無理。

地域と時期にもよりましょうが、当時はヨーロッパからの観光客がメインで、東アジアの観光客は日本人が多く、日本人はまだリッチでしたから、東アジア系の人を見ると全員日本語で話しかけているんだと思ったのですが、区別していたのか。

見た目(服装+髪型+姿勢+身長+肌+顔+ヒゲの有無)と言語だと言ってます。観光客が連れ立って話しながら歩いていて、言葉が聞こえてくれば何語かわかるわけですけど、それだけでなく、「タイ語を話すかどうか」だと言ってます。日本人は英語を話さず、タイ語を話そうとする。シンガポール人や香港人は英語を話す。中国人は中国語しか話さない。

こんなところでもこの証言が出てきました。

 

 

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