松沢呉一のビバノン・ライフ

タバコをやめてコンビニに行くことがほとんどなくなった今、外国人のバイト店員たちに教えてもらったことを振り返る-(松沢呉一)

 

 

タバコをやめたらコンビニに行かなくなった

 

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なんの準備もなく、思いつきで始めた禁煙が半月以上続いて、「やめる気になればいつでもやめられる」という私の口癖はハッタリではないことを実証し、また、私の禁煙法が私同様の特性をもつ人々には有効であることも実証できたので、その点ではもう吸ってもいいのですが、いざ吸うとなれば1日2箱は吸いますので(パイプタバコを吸わない場合)、一箱500円を越えるのではとてもタバコが吸える時代ではなくなりました。贅沢品です。

その小売値の半分以上が税金であることは不当ですから、不法に自家栽培する人たちを私は擁護します。実際にやっている人たちがいるのかどうかも知らないですが。

タバコが違法になって、思う存分タバコを吸える地下パーティが開かれ、そこで吸う一服目のおいしさを想定するようなことをしない限り、「吸いてえ」という衝動に襲われることもほとんどなくなっているので、このままやめてしまってもいいのですが、あんまり考えていなかった、禁煙による負の派生効果があります。

コンビニに行く機会が激減してしまったのです。タバコを売っているスーパーやキオスクではシガーまでは取り揃えていない店が多いし、扱っていても、隣のレジまで移動するなどして手間がかかるので、タバコはもっぱらコンビニかタバコ屋で買ってました。とくに夜遅くだと、タバコ屋はやっていないので、コンビニになります。

タバコを買うついでにおにぎりやパン、弁当、果物を買うことも多く、とくに夏場は銭湯に行く前後に飲み物を買ったり、ガリガリ君を買ったりすることも多かったのですが、タバコを買わないとコンビニに行かない。食い物を買うならスーパーやプチスーパーの方が品揃えがいいですから。

※おかしなものですが、酒を提供できなくなっていた時期を経て、飲み屋がわざわざ「酒を飲めます」の表示をしています。

 

 

「あうん」という苗字

 

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これまでは2日か3日に1 回はコンビニに立ち寄っていたのに、タバコをやめてからコンビニに行ったのは1回だけです。喉が乾いて、飲み物を買いました。

その時の店員は平仮名で「あうん」と名札に書いていて、外国人かどうかもわからず、「阿吽の呼吸」の「阿吽」なのかなと思って聞いてみたら、ミャンマーの苗字でした。

「へえ、面白いねえ」なんて話していて、彼も客がそこに食いついたのが嬉しそうだったのですが、店を出てすぐにアウン・サン・スー・チーもアウンだと気づきました。平仮名で書いてあるとわかんねえわ。彼もそう言ってくれればいいのに、そこまで彼は日本語が上手ではなさそうでした。

 

 

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