松沢呉一のビバノン・ライフ

今日で禁煙4週間—心の中の空洞が大きくなった-(松沢呉一)

禁煙4週間

 

vivanon_sentenceタバコをやめてからでも痰が出ます。今までの喫煙で溜まっていたものが出ているんじゃなくて、空気が汚いと痰はからみましょう。なんでもかんでもタバコのせいにする風潮はよくないです(追記:禁煙してから痰が出るので不思議に思ってこう書きました。禁煙すると痰が出やすくなる現象があるそうで、そのメカニズムは「今回の発症はタバコをやめたせいかもしれないと医者に言われました—10日間自主隔離していた結果[下]」を参照のこと。これが正しいのであれば、禁煙しても痰が出るのはタバコのせいか)。

今日で禁煙4週間を達成です。1ヵ月弱。バンザーイ。って感じでもない。

昨年、東京銭湯巡りと東京ヘビマップ作りが終わって心の中に空洞が広がっていたのですが、さらに空洞が大きくなってます。生きている楽しみが何もねえ。

七転八倒するようなことはなかったので禁煙としては楽だったと言ってもいいのですが、先日、バンドマンたちの喫煙風景を見て以来、タバコをうまそうに吸っている人たちを見ると、私も強烈に吸いたくなります。今からあのバンドマンたちの自宅を急襲し、「責任とってタバコを1本くれ」と言いたい。

タバコをくれるんだったら、彼らじゃなくてもいいのですが、この4週間、1度としてタバコを吸う人に会っていません。見かけることがあるだけ。

会った人の数がそもそも少ないのですが、会った人は吸わない人ばかりです。銭湯で話したおっちゃんがタバコを吸うかもしれないけれど、タバコを吸う場面に出くわしたことがなく、よって誰からも「禁煙に疲れたでしょう。この辺で一服してはどう?」とタバコを差し出されたことがありません。

差し出されても今現在は吸わない可能性の方が高いとは思うのですが、吸いたい気持ちは変わらずあります。タバコはホントに素晴らしい嗜好品ですので。

※中野のタバコ屋のジッポ。このタバコ屋もパイプタバコが充実していたのでよく行っていたのですが、もう行くこともないのかと思うと悲しい。

 

 

乳首よりタバコを吸いたい

 

vivanon_sentence喫煙所を訪問して、流れてくるタバコの煙をこっそり無断で吸うこともなくなってますが、吸っている人を見かけると気にはなります。「いい意味」です。とくにうまそうに吸っている人は見てても気持ちいいです。

タバコに敏感になっているため、今まで意識していなかった場所に喫煙スポットがあることに気づいたりもしています。

正式な喫煙場所ではないので、駅名は伏せますが、駅前の路地が喫煙スポットになっています。この横にあるディスカウントショップはタバコを扱っているのに喫煙所を設置していないため、その建物の横で勝手に吸う人たちが多いのです。だったら灰皿を設置した方が掃除をしなくていいのにな。

近隣には大学や専門学校が複数ありますが、たぶん今は校内に喫煙所がなくなっているのではなかろうか。学校を出て駅に入る前に立ち寄るため、ここで吸っているのは若い世代が多く、女子だけの集団も見かけます。臭いがつくことを嫌うためでしょうが、全員電子タバコの女子集団もいます。

 

 

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