木下富美子都議と全国フェミニスト議員連盟の共通点—補足・追記特集[4]-(松沢呉一)-(松沢呉一)
「自己決定を重んじるポーランドのフェミニスト・戦前の道徳を重んじる全国フェミニスト議員連盟—補足・追記特集[3]」の続きです。
木下富美子の図太さ
すでにご存知のように、「土屋美和都議は崖っぷち、なのに小池百合子都知事は—政治家による学歴詐称[下]」以来久しぶりに木下富美子都議に動きがありました。
改めて、この人、ヘンね。他の報道では真っ赤なワンピースや派手な指輪、80万円のシャネルの時計をしてきたことが報じられています。服もアクセサリーも好きにすればいいのだけれど、この時にそんなオシャレをするか? 裁判で被告になった強制収容所のカポや看守らがオシャレをしていたのと同じか? ただのオシャレならいいとして、税金が原資の高額な報酬を得ていることが非難されている時に、すぐにいくらか調べられるシャネルの時計をしてくるか?
「彼女の姿こそは、日本の政界のスタンダード、縮図でもあります」とのナレーションが入ってますが、いやいやいや、免停中に無免許運転を繰り返し、選挙期間中には事故を起こして逃げようとし、そのあともすっとぼけて議員となり、2度の辞職勧告にも応じず、3度の召還にも応じずに雲隠れし、高級時計をしながらやっと出てきても十分な説明もしない議員は観測史上初ではなかろうか。気候変動恐るべし。どこに影響が出るか予測がつかない。
「懲戒の基準」で述べてきたように、業務上の非違行為で処分されるのは当然として、私的領域での違法行為、不法行為についての懲戒は相当に制限されると私は考えてますが、一般の公務員、民間企業の社員だったら彼女の行為は免職・解雇でしょうし、立法の立場にある議員は私的領域での重大な違法行為についても処分が妥当ではなろうか。
ともあれ選挙で選ばれていますから、簡単に処分はできないのは理解しないではないですが、木下都議の場合は選挙期間中の行為であり、これが投票日前に発覚していたら当選できなかった可能性が高いこと、またこの4ヵ月、十分な説明もなく議会を欠席したことを考慮すると、辞任が妥当だと思うなあ。
議会が辞職させられないのは「議員の良識」みたいなものへの期待もあるのだと思います。不適切な行為であり、不適切な人材であることが誰の目にも明らかな場合は「自分から辞める」ことが当然に期待されていて、強制力をもって辞任させる必要がないって前提です。
そのお約束を守らない人が出てきた場合にどうするか。住民のリコールです。そんなことでまた税金使うのはたまったもんではないですが、しゃあないのかも。あとは選挙期間中の行為や召喚に応じない場合についての処罰規定は新たに作っていいんじゃないですかね。
※時計のSSはこちらのANNの報道より
全国フェミニスト議員連盟の図太さとダメさ
「女が議員になれば平和になる」なんて言う人たち、選挙になると「ジェンダーの視点を」などと、「女に投票しろ」と暗に言う人たちのバカバカしさをこれほどまでにわかりやすく説明してくれる例はないでしょう。
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