松沢呉一のビバノン・ライフ

私の精神状態が悪いのは禁煙鬱だけではない—地球温暖化は人々のメンタルも破壊している-(松沢呉一)

 

タバコに恋した日

 

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見知らぬ住宅地を散歩していたら、広い駐車場があり、自動車は一台もなく、中央にタバコのキャンペーン用自転車だけが置かれているのを見つけました。

後ろの荷台のところにサンプルのタバコを置く棚が何段かついていて、セブンスターが一箱置かれています。中を見たら5本入ってます。片付けるのを忘れたのでしょう。

サンプル用だからもらってもいいんじゃないかと思いつつ、いかにサンプルでも黙ってもっていくと窃盗だろうと迷い、結局、4本をポケットに入れました。1本残しておくのが良心。

そそくさとそこを離れながらも、「4本も吸うと、そのあとやめられなくなるな。どうしよう」となお逡巡しているところで目が覚めました。

夢にまで見るとはどんだけ吸いたいんかと。夢のようにおいしかったかもしれないので(夢だし)、吸えばよかったと起きてから後悔しつつ、夢の中でも吸わなかったことに感心しました。「1本吸ったら、そのあと今よりも吸いたくなる」という事実がギリギリのところで欲望を抑えていることが見事に夢にも反映されていました。実際、吸っていたらあまりのおいしさに禁煙は挫折したかもしれない。

夢に出てくる人物を好きになる現象がありますが、一昨日はずーっとタバコに恋をしてしまって猛烈に吸いたかったです。

※「世界のタバコ」と銘打っているわりには種類が揃っていない歌舞伎町のタバコ屋

 

 

我が禁煙鬱は重症

 

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昨日はまた落ち着きましたが、もう1ヵ半になるのにまだ吸いたい。こうやって「ビバノン」に書いてしまうため、意識からタバコが消えないってこともありそうだし、やはり歳のせいかもしれない。歳をとると、脳内伝達物質が作られにくくなる説

ほぽ間違いなく今の状態は禁煙鬱ってヤツだと思います。深刻な文章を書けないので、伝わらないと思いますが、一日中ダルい。すぐに眠くなって寝るので、行動も思考もすべて断片になっています。

昨年までは銭湯めぐりとヘビマップがあったので、遠くまで出かけていくのが億劫ではなかったのですが、今は外に出ることも億劫。おかげでパソコンに向かっている時間が確保できて、1日2本更新になっています。

今月は文京浴場組合の「タオル祭り」で、タオルという餌があると出かけていく気になるのですが、またヘルペスになっちまいました。昨日からヒリヒリしていたので薬をつけたのですが、今日、起きたら皮膚が破れていたので、2週目の今日はパス。来週までに治っていることを期待します。

薬をつけたのが早かったので、たぶんそんなにひどいことにはならんだろうと思うのですが、3ヵ月に1回ヘルペスが出るのは歳のせいでしょう。抵抗力がなくなっているのです。

禁煙鬱が長引いているのも歳のせいではないかと推測していますが、私の気分がすぐれないのは他にもいくつか理由があります。

金が全然なくて、パソコンを買い換えることができず、そのパソコンがいよいよ不調になってきていることもそうですし、「ビバノンライフ」のPVが低迷していることもそうです。そして、人類滅亡のダメージも大きい。

私が特殊なのでなく、世界的に絶望的な未来予測でメンタルを壊しつつある人が増えているとの調査結果が出ています。

 

 

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