日本のゆるい対策は正解だった—ゼロコロナvs.ウィズコロナ-(松沢呉一)
世界的に広がるウィズコロナと規制反対
韓国はウィズコロナに転換して規制を緩めたら感染が拡大、これ自体は織り込み済みでしたが、重症者と死者も増大したのは誤算。感染者が増えても、重症者と死者は増えていない国は、ワクチン効果と見ることができますが、初期に接種したワクチンの効力が消えているとの説もあって、死者数を落とすためには今後延々にワクチンを打ち続けるしかないのかも。
しかし、国民はわりと冷静。経済的な停滞をこれ以上続けることもできず、死亡者の増加も受け入れるしかないってことでしょう。ワクチンの副作用(副反応)と思われる死亡も問題になっていて、これを陰謀論で片付けるべきではありません。片付けようとすればするほど、むしろ陰謀論に走る人々を増やすと指摘してきた通りです。副作用とするしかない事例が各国で多数出ているわけで、それをごまかそうとするから「人体実験」という見方に説得力が出てしまうのです。
おそらく韓国も感染者が増えたあと、日本同様、急速に減ることになりますから、過度な規制は不要だと思います(詳しくは以下)。
国民は政府の方針に素直にしたがっているように見えたニュージーランドでもゼロコロナ対策に対する批判が高まっています。
以下は半月前ですが、これ以降も続いています。
ヨーロッパ各国でも感染者の増大を受けて、再度規制の動きが出ていて、それに対する反発が強まっており、アンチ・ロックダウン・プロテストは今まででもっとも激しいかもしれない。
マスクをつけていない地域が多いです。屋外ですからいいんじゃないですかね。
この中にgreenという言葉が入ったバナーやプラカードが出てきます。なんだろうと思ったのですが、green lockdownという言葉があるので、「コロナウイルスより地球温暖化対策を」の主張ではなかろうか。ドイツ総選挙の時の国民の意識です。green lockdownはclimate lockdownのことで、移動の禁止、肉食の禁止、経済活動の抑制などを指します。移動や経済活動の抑制になるという意味では、コロナウイルス対策でも気候変動対策でもさして変わりはないですけど、そちらにシフトしてより効果的、より永続的な対策をとれということかと思います。
国民全体からするとなお規制反対の人々は少数派でしかないでしょうけど、着々そちらの方が増えているので、これらの国では、もう厳しい対策をとるのは無理ではなかろうか。規制反対派の根拠は日本です。
呑気な日本は正解を選択してきた
日本は危機感がゼロに近づいていることをここ数日新宿を拠点に観察しました。コロナ終焉気分は、数字の裏付けがあってのことです。ほとんど死ななくなっているんですから、もう何もしなくていい。ワクチンも不要。万が一のために、また感染者が急増した時に備えるだけでいい。
日本で感染者も死者も激減したことについて、以下の記事に大いに共感しました。
2021年11月10日付「PRESIDENT Online」
筆者の大和田潔氏は医師で、その経験と知見から、「なぜ日本では感染者も重症者も死亡者も激減したのか」の理由を推測し、「APOBEC酵素がウイルスのコピー能力にエラーを発生させてウイルスを弱毒化、無毒化。さらにはウイルスの死滅をもたらした」という説を唱えています。これは著者のオリジナルではなく、国立遺伝学研究所と新潟大学のチームが出している仮説です。
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