3ヵ月ぶりにタバコを吸って考えたこと—東京で凍死する人々/クリスチャン・エイドの報告書/原発に頼るしかない現実-(松沢呉一)
3ヵ月ぶりでタバコを吸ったらうまかった
元旦の夜。机の上にずっと置いてあった1本のタバコを捨てようと思い立ちました。
禁煙して3ヵ月経ち、もう挫折することはないでしょう。このタバコをもらってからでも2ヵ月経って、おいしくなくなってそうです。何度も手にして、時には口にくわえて薄汚れていて、見た目もまずそう。
でも、捨てるんだったら吸えばいいのかと思った瞬間に火をつけてました。
一服目。うまい。すでに変質していたかもしれないですが、それでもうまい。
二服目。さらにうまい。ムチャクチャうまい。クラクラするかと思ったのですが、全然です。
タバコが劣化して「まずい。もういい」と一服吸って捨てるのではないかとも予想していたのですが、違いました。うまい。
あっという間に吸い終えて、あと3本くらい続けて吸いたい。一箱あったら全部続けて吸ってました。
こうしてタバコを一度吸うと、すぐさま元通りになるわけです。つっても、買いに行くほどではなくて、1本で終了。これに対して、タバコを吸う人に勧められて吸うと、止めるきっかけがないので危険です。
翌日、タバコを吸っている人を見ると、また吸いたい衝動が少しは出てきてしまいましたが、たいした衝動ではなくて、軽く耐えました。
刺激がなくなって寂しい思いをしていましたが、ひさびさにいい刺激でした。
ここからカウントし直します。元旦なのでカウントしやすい。
東京の凍死者
タバコは吸わないでいられる人でも、寒いと暖房をつけます。家にいる時はこたつだけと言っていたおばあちゃんは、寝る時はどうしているのかわからないですが、家の中で毛布や布団にくるまって寝れば凍死することは東京ではあまりないですから、何も暖房をつけずに寝ている人は多いでしょう。
あまりないけれど、現実に毎年東京でも凍死する人がいます。氷点下にならなくても人は凍死します。
地域によって凍死の状況は大きく違って、北海道では今でも行き倒れが多い。酔っ払って路上で寝てしまって死ぬ。そもそもホームレスは北海道の冬には少ないので、家のある人たちでしょう。
東京に限った数値を探すと、「東京都における凍死症例の検討」が出てきます。1988年の調査なので、今とは違っている点があるかもしれないですが、年間10人以上東京で凍死しています。
凍死しているのは男のホームレスが多いことは理解しやすいとして、高年齢より40代50代の方が多いのが意外。この理由はやはりアルコールにありそうです。酒を飲んで酩酊状態にあると、寒さに対する十分な備えをしないで寝てしまうのと、アルコールは体の機能低下を招きます。
高年齢の凍死が比較的少ないのは、アルコール依存症の人は高年齢になる前にさまざまな理由で死ぬからではなかろうか。
ホームレス以上に、家の中で凍死した人は酒が入っていそうです。酒が入って裸同然で寝てしまえば家の中でも凍死します。忘年会や新年会で酒を飲んで玄関で寝てしぬ人もいるんでしょうね。
アルコールは死を招いています。タバコの火の不始末による失火は、直接にはタバコに原因がありますが、これも酒を飲んで寝てしまう人が多いことが推測できて、背景にある原因は酒です。なのに、なんでタバコばっかり叩かれるかな。
無駄をなくす努力をしている企業もある
タバコは吸わないでいられる人でも、夏は暑すぎると冷房を入れます。家にいたって熱中症になるくらいで、路上生活者で熱中症で死ぬ人も少なくないはずです。家の方が熱がこもって暑いのかもしれないですが。
暑すぎても寒すぎても人は電気やガス、石油に頼る。気候変動はそれらのエネルギー消費を高めます。エネルギー消費を減らさなければならないのに、気候変動はエネルギー消費を増大させるのです。
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