松沢呉一のビバノン・ライフ

祝ゼロコロナ・オリンピック開催—続/変われる国・変われない国-(松沢呉一)

オランダ・フィンランド・デンマークが新型コロナ規制をほぼ撤廃—変われる国・変われない国」の続きです。

 

 

検査キットが大人気

 

vivanon_sentence中野タコシェの床にへたりこんでしまった時、検査キットで結果が出るのを待ちながら、「もし陽性だったらどうなるか」をシミュレーションしてました。

陽性であっても私としては家に帰って寝るだけですけど、あの場を収拾するために、救急車を呼ばれてしまうかもしれません。現に私はすぐには動けない状態でしたから、救急車を呼ぶのに適切な状況でした。

もし陽性で救急車を呼ばれた場合、病院に着いてから「自宅で治しますから」と説明して歩いて帰るとしても、あの場面では感染させる可能性があったため、救急車を呼ばれてしまったら、乗るしかなかったんじゃなかろうか。救急車に乗っても動けない状態が続いていたら、とりあえず病院で休んでいったかもしれないし。

検査キットがあってよかった。検査キットがあったから陽性だとわかった可能性もあるわけですから、良い点・悪い点どっちもあります。

その検査キットが不足しているらしいですが、時々ドラッグストアや雑貨屋で見かけます。あると欲しくはなりますわね。体調が悪くても休みがとりにくい人にとっては、はっきり陽性であるとの結果が出たら休みやすくなりましょう。部下のズル休みを疑う上司もこれがあればすぐに確認できて安心です。

でももう感染していたところで若くて健康体だったら死ぬ可能性は限りなく低く、20代ともなると、ワクチンの副作用で死ぬ可能性の方がおそらく高い。私くらいになると新型コロナで死ぬ可能性は少しはありますけど、それにしたってたいしたリスクではない。

もともと私はそう思ってましたけど、オミクロンでいよいよれが決定づけられました。そのくらいにどうでもいい病気になったことを受けて方向転換したのがオランダ、フィンランド、デンマークであるのは前回見た通りです。

こうなってもまだ抵抗している人たちがいます。

重大な病気であることにしておいた方が儲かる人たちもいるでしょう。いつまでも危機感を煽り立てることでアクセスを得たいメディアもあるでしょう。

しかし、それより方向転換を抑えこんでいるのは「流れ」だろうと思います。ここまでの流れを作ってきた人たちは、それに逆行することが怖い。場合によっては自分の責任を問われることが怖い。

※これは一昨日撮ったもの。買っている人たち多数

 

 

流れを変えられなくなった結果

 

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一人一人を見れば、人を殺すことさえできなかったような人々の集まりであっても、ひとたびホロコーストが始まれば、それに反対することはできなくなって、ヒトラーを暗殺する以外に流れを変えられなくなります

全体主義国家はそうなりやすい。流れを決定する組織自体を壊滅させるか、独裁者を消すしかない。全体主義に至らずとも、国家であれ、組織であれ、「上に従う」「周りに合わせる」といった性質が強いほどそうなりそうです。

 

 

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