トラッカー・プロテスターズ「フリーダム・コンボイ」はカナダの変革者か? それともQアノン支持の陰謀論者か?-(松沢呉一)
カナダのフリーダム・コンボイとは?
日曜日もバイトでした。2回目にしてもう任せてくれていて、すごくやりやすい。フルコースで2時間半はかかり、頻繁に腰を屈めなければならないので、決して体は楽ではないですが、精神的には楽です。
スタートは営業後の深夜のため、それまで時間がたっぷりあります。かといって、調べ物や原稿書きに熱中すると、うっかり行くのを忘れかねないし、途中で作業を切り上げなければならなくなってイラつきます。
こういう時はYouTubeの細切れ映像を観るのが最適です。この日は数時間にわたってプロテスト映像を見続けてしまいました。
オランダ、フィンランド、デンマークの(だいたい)北欧勢による「新型コロナはもはや危険な病気ではない」との考え方をもとにしたワクチンを含めての規制を撤廃しつつある国々の動きが刺激になっていると思われて、各地で規制反対、ワクチン義務化反対のプロテストが行われています。
中でも激しいのがヨーロッパではベルギーであることはお伝えした通り。北米ではカナダです。これについても先週取り上げましたが、簡単に触れただけだったので、改めて説明しておきます。
日本でも報じられているので、基本的なところはそちらを参照していただいて、足りない部分を補足していきます。
カナダ・米国間を移動する運転手は今まではワクチンパスを必要としなかったのですが、カナダのトルドー首相はワクチンを義務付けることを決定して、それについての反対が起きています。
これはフリーダム・コンボイと命名されていて、カナダや米国からオタワに向けて隊列を組み、先々週の土曜日に到着。これで終りではなく、オタワのオキュパイを狙っていて、多数のトラックやトラクターがオタワに居座って都市機能が麻痺しています。
オタワ市がフリーダム・コンボイで非常事態宣言
先週土曜日は、フリーダム・コンボイ2週目にして規模が爆発的に大きくなっています。
乱暴者が多そうですが、全体として平和的な行動で、警察や住民との小競り合いはあるとしても、大きな衝突は起きていません。
しかし、交通の遮断や騒音に対してオタワの住民から苦情が警察に寄せられ、訴訟も起きています。すでにオタワ市警察の手に負える状態ではなくなって、オタワのジム・ワトソン市長は、2月6日、非常事態宣言を出し、連邦政府に支援を求めています。
トロント、バンクーバー、ケベックなどにもフリーダム・コンボイは拡大し、米国やヨーロッパにも連帯の動きが広がりつつあるので、当面、鎮まりそうにありません。
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