松沢呉一のビバノン・ライフ

コロナファシズムはもう終り!(ドイツのプラカードより)—パリとベルリンのマスク率-(松沢呉一)

東京の雪を眺めながら、コロナ規制の緩和・撤廃が続くヨーロッパでもっとも頑なに見えるドイツについて考察する」や「カナダやニュージーランドでは国会前を占拠し、フランスでもフリーダム・コンボイがスタートし、日本ではワクチンに対する医療関係者の抵抗が始まった」から軽く続いています。

同じテーマが続くと飽きられて読まれなくなるので、「ビバノン」ではできるだけ間をあけるようにしているのですが、反規制・反ワクチン強制についてはずっと読まれているので、もうちょっと続けます。今が山場ですからね。

 

リュック・モンタニエ死去

 

vivanon_sentence昨日は土曜日とあって、オタワのみならず、パリ、ベルリン、ウィーンなどのプロテストが生中継されていました。パリに入ろうとした車両の多くは阻止されて、車によるパリの封鎖・占拠は失敗しましたが、パリでは通常のデモが行われていました。全体としては平和的だったのですが、一部小競り合いが起きて、警察は催涙スプレー、手投げ弾型の催涙弾を使用し、明るいうちだけでも50人程度が逮捕されたようです。

警察発表で、パリは7,600人が参加、それ以外の地域でのワクチンパス反対のプロテストには32,100人が参加とのことです。パリはイエローベストの呼びかけだったため、危険を察知して敬遠した人たちもいたんじゃなかろうか。

フランスのメディアで、参加者のコメントを読んでいたら、「リュック・モンタニエ博士の追悼だ」と言っている人がいました。リュック・モンタニエはHIVウィルスの発見者として、2008年にノーベル生理学・医学賞を受賞。私だってHIV関連で以前から名前を知っていくらいで、フランスを代表するウイルス学者と言っていいでしょう。

そのリュック・モンタニエは2月8日に亡くなっています。

この人はCOVID-19は中国で人工的に作られたとの見方を提示していたことと、ワクチン懐疑派だったことから陰謀論者と評されています。両方ともなお議論の過程にあるのですから、これだけで陰謀論者とするのはどうなんかと思うところですが、晩年はこれ以外にも怪しげな主張をさまざまやっているため、科学者としての信頼は地に落ちていたことは間違いありません。

ワクチン懐疑派だったため、定番通りに「殺された」説も出てますが、んなことはないと思うぞ。こういう食いつき方をするから、ワクチン懐疑派は陰謀論だと言われてしまいます。議論が成立する範囲のことだけを主張しましょう。根拠なき憶測を持ちださなくても、ワクチンの強制は批判するに足るんですから。

※2022年2月10日付「FRANCE 24」 評価が地に落ちていたことまでを説明していて、「惜しい人を亡くした」って感じではない訃報。

 

 

パリとベルリン

 

vivanon_sentenceパリと対照的だったのがベルリンです。どこが対照的だったかというと、パリのデモに参加している人たちのほとんどはマスクをしていなかったのに、ベルリンのデモ参加者はほとんどがマスクをしていたことです。

 

 

オタワもウィーンもパリもマスクをしている人が絶無というわけではなくて、1割か2割程度はいましたが、ベルリンはきれいに逆転。ドイツはまだ屋外でのマスク着用が義務付けられている州が多いのです。

 

 

next_vivanon

(残り 1384文字/全文: 2795文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ