松沢呉一のビバノン・ライフ

東京の雪を眺めながら、コロナ規制の緩和・撤廃が続くヨーロッパでもっとも頑なに見えるドイツについて考察する-(松沢呉一)

 

東京の積雪は2センチ

 

vivanon_sentence午後から雨は雪になって、夜はそこそこ激しい降り方でした。

午後6時台から8時台にかけてのパトロールでは、いくらか積もってはいても、地表の気温が氷点下に至っていないため、雪の状態が長くは維持されておらず、シャビシャビのシャーベット状態でした。

それでも滑ることはあるのですが、転んだ人は一度も見ませんでした。外を歩いている人自体が少なかったってこともあって。

装備をしない車が立ち往生して渋滞を引き起こすのが出てくることを予め予測して、首都高は通行停止措置がとられてますが、23区内の鉄道は通常通り。

店も早めに閉めていたり、臨時休業になったりしていて、全体として人も車も少なくて、大雪情報が浸透していたことが見てとれます。また、今日は営業していても、明日は臨時休業との張り紙が出ている店もありました。

つうことで、今日のうちは大きな混乱はなく、言われていたほどの大雪ってこともない。午後9時現在、気象庁によると、東京の積雪量は2センチです。20センチに達するかもしれないという予想もあったんですけど、明日もそこまでは積もらないでしょう。

ただ、夜中のうちに凍りそうなので、明日の朝はまたスッテンコロコロと人や自転車が転ぶことが予想されますが、祝日ですから、家でジッとしているつもりの人も多いと見えて、今日は買い溜めをしている人たちをいっぱい見ました。賢明です。明日のための準備を呼びかけている店も複数ありました。

 

 

「ただの風邪」化が進むヨーロッパ各国

 

vivanon_sentence雪が好きなので、どうしてもパトロールに忙しくなってしまうのですが、世界各国で急速に「ウィズコロナ化」「ただの風邪化」が進んでいるので、そのチェックにも忙しい。

英国は先日屋外のマスク着用義務を撤廃しましたが、これに続いてジョンソン首相はコロナ対策の全廃を表明しました。ワクチンパスを含めてのものと思われて、だとすると、オランダ・フィンランド・デンマークに続くことになります。

旅行制限の緩和や撤廃はスウェーデン、ノルウェー、ギリシャでも実施。

そこまでは至っていないですが、フランスやベルギー、スペイン、米国各州でも屋外のマスク着用義務を撤廃。米国の場合は州によって違いますが、ニューヨーク州ではレストラン等の屋内でのマスク着用も撤廃し、公共交通機関や病院、学校では着用義務を維持。州によっては公共交通機関や学校での着用義務も撤廃。そりゃただの風邪と化したのに、いつまでやってんだってことです。もちろん、したい人は引き続きすればいいだけ。

その点、日本では室内・店内では注意されることがありましたが、屋外でノーマスクでも、あるいは顎マスクでも一度も注意されたことはなく、いい国だなあと。

マスクの着用はゆるくなっても、米国ではワクチンの実質強制が続いているため、これに対するプロテストが激しくなっています。

NYCでは、ワクチンの義務化に反対している市職員が解雇の危機にあって、それに対する抵抗が続いています。

 

 

去年から職員に対する義務化が進んでいて、4千人がワクチン証明の提出を拒否して、無給で自宅待機を強いられていました。昨年11月に就任したエリック・アダムス市長がこのほど「2月11日までに証明を提出しないと解雇」と宣言して、それに対するプロテストです。

オミクロン変異体以降、ただの風邪になったのに、まだこんなことをやっていやがります。そこに呆れるとともに、無給になっても従わない職員が4千人もいたことに驚嘆します。頑張れ。

 

 

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