ロシア人たちの抵抗—ロシア人の誰もがウクライナ侵攻を支持しているわけではない。誰もが反対しているわけでもない-(松沢呉一)
ロシア国内の反戦行動で1,800人が連行されたらしい
昨日出した「ロシアのウクライナ侵攻で小麦と原油の価格はさらに高騰、物価・公共料金・税金は上がり続け、犯罪と餓死者が増加する—ウクライナと無関係でいられる国はひとつもない」を書いた段階では気づいていなかったのですが、AFP日本語版がこんな記事を出していました。
2022年2月25日付「AFP BB NEWS」
モスクワで700人以上、サンクトペテルブルクで300人以上拘束。
その後、日本のメディアも次々この話を取り上げていて、全土58ヶ所で1,800人が拘束されたという報道も出ています。
モスクワ以外の映像を探してみたら、以下の動画が見つかりました。
前回出した動画では、ひっそりとやっている印象でしたが、この動画を見ると、もっと大規模で、もっと大胆です。おばあちゃんが拘束されながらもプラカードを出そうとしているところで泣いたわ。
昨日は何とコールしているのかわからなかったですが、“Нet войне”(「ニェット・ヴォイニャ」みたいな発音)と言ってます。「戦争にNo」。войне(戦争)は、プッシー・ライオットの母体になったアート集団の名前でもあります。
以下の動画に、“Нet войне”と書かれたプラカードが何度か出てきます。
プラカードを出すだけで連行、風船を出すだけで連行。こんな国で顔を出してプーチン批判をするおばちゃんはすげえぜ。
以下のサムネイルにも“Нet войне”の文字が見えます。ここに出てくるスポーツ新聞の記事も逮捕覚悟ではなかろうか。
「戦争だからサッカーをしている場合ではない」と言っただけで、「反対行動をしろ」とは言ってないといった逃げがあるのかもしれないけれど。
それでもロシア人の多数はプーチンを支持している
ヨーロッパ各地で開かれているロシアに対する抗議行動では、ロシア人が参加している例があります。「ロシア人だけど、この戦争には反対だ」と。
以下のBBCの動画でも「ロシア人の望んでいない戦争だ」と強調されています。
どのくらいの人が賛成していて、どのくらいの人が反対しているのかわからないですが、大半のロシア国民は侵攻を支持とも報じられています。
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