ロシア軍の末期症状—解任・自殺・部品の横流し・情報のダダ漏れ-(松沢呉一)
「難民を受け入れることで、難民を受け入れることの意義を実感した—改めて「難民」と「避難民」という言葉」の続きです。
将官の戦死+解任=最大9人
戦死したロシアの将官の数が6人だったり7人だったり、メディアによって数が違っていて、ケツの穴がムズムズして気持ち悪かったのですが、やっとその理由がわかってすっきりしました。さらに8人説もあって、これも納得できる根拠があります。
「ここまでに死んだ将官は6人から8人」という表現をするのも面倒なので、今後は「暫定7人」ということにします。その後、補填がなされていましょうが、当初ウクライナに送り込まれた将官の3人に1人以上が死亡。ギネスに認定されたいのかと。
これに加えて、第6軍合同軍のウライスラフ・エルショフ将軍は解任されています(「将軍」しかわからず、正確な位は不明でしたが、秋山理央が中将だと教えてくれました)。「消えた将官」は最大9名です。
戦争1ヶ月目の第1ステージでは、ロシアの拙攻が目立ち、将校であれ、末端の兵士であれ、人的資源を使い果たし、大量の車両を失ったロシアの負けです。ロシア軍が勝ったのは民間人の虐殺部門ですが、これは減点対象です。
第2ステージでも、「使用している機器が古いため、通信を傍受されている」「兵隊の士気が低いため、将官が前線に出なければならない」「ドローンや対戦車砲など、ピンポイントで狙える最新兵器の対応ができていない」といった欠陥はそう簡単には改善されず、むしろ、兵士の士気は落ち続け、すでにその兆しが起きているように、兵士の反乱による司令官や指導官殺害が今後いよいよ起きていきそうです。
なお、「「ロシア将校戦死情報」2名分—1名は部下に轢き殺された!?」に書いた、防寒対策がなされていないため、凍傷になって部隊ごと脱落したという話は、以下のやりとりからも窺えます。この音声自体が本物かどうかわからないですが、「作りもの」って感触はありません。おそらくロシアにいる母親との携帯による会話でしょう。
この中で凍傷で指を切断したのもいると言ってます。指がないと銃を撃てなくなったり、スムーズに歩けなくなったりして活動を相当に制限されますから、防寒のために金を投下した方が結果軍は損をしなくて済むと思うのですが、どうもロシア軍ではそういう計算が成立しないみたいです。
自殺者も出ているらしい
数日前、ウクライナ国防省の情報として、ロシア第4戦車師団第13戦車連隊の指揮官が自殺したという話が報じられてました。自殺のせいか、名前は伏せられています。検索すると探せますが、ここでもそれらに倣って名前は出さないこととして、自殺のきっかけになった「事件」が衝撃です。
同連隊はウクライナ国境から35キロ地点にあるロシアのクリモヴォという場所に戦車を修理する基地を設営しているのですが、いざそこから補充しようとしたら、10両のうち、1両が辛うじて動かせただけで、残りは光学機器や電子機器がはがされていて使えず。
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