松沢呉一のビバノン・ライフ

ロシア将校戦死情報/ロシア兵がウクライナ行きを拒否/ブチャ虐殺に関与したロシア兵のリスト-(松沢呉一)

ブチャの虐殺で思い出すカティンの森の虐殺—見え透いた嘘を平気で言えるのはソ連時代からの伝統」の続きです。

 

 

ロシアの兵士たちが従軍拒否

 

vivanon_sentenceロシア将校戦死情報」です。

ウクライナ軍参謀本部のフェイスブックアカウントによると、第83独立空挺突撃旅団の副司令官であったヴィタリア・スラブツォワ中佐が死亡。

これは4月4日の投稿ですが、死亡したのはその1週間以上前の3月24日です。戦死情報は、ウクライナ側が発表し、ロシア側が遅れて発表することが多いのですが、今回はウクライナ軍が情報をつかんでおらず、4月1日にロシアで葬儀があったことから判明した模様です。

どのような状況で死んだのかも不明ですが、それとは直接のつながりなく、同アカウントが同じ投稿でさらりと書いているところによると、第31独立空挺突撃旅団の兵士25名がウクライナに行くことを拒否して、除隊しようとしているそうです。命令を拒否してあっさり除隊できるのかどうかわからず、もしかすると軍規違反かも。

そりゃさ、これだけの高率で戦死者が出ていて、飲食の補給も満足になされず(2人で1日1食を分けるという話がどこかに出てました)、足りない分は民間の店舗や民家から略奪する。そろそろウクライナも暖かくなってきてましょうが、防寒具も与えられず、凍傷で指を切断したのもいる。

といった情報は軍の中でもある程度は流通していましょうし、なによりこの戦いには正義がないということにも薄々気づきましょう。「足りない食料は略奪が前提」という時点でロシア軍はモラルが欠落していますが、兵士たちは金目のものも盗んでいくらしい。ただの盗賊。

多数の兵士がボイコットした話をロシア軍が公表するはずがなく、ウクライナ軍はどうやって入手したのでありましょう。普通だったら、戦時のこういう話は眉に唾をつけるものですが、携帯の傍受とか、IT軍の成果とか、ロシア軍の情報はダダ漏れですから。このくらいの情報を流す内通者くらいウクライナ軍なり、NATO各国なりが確保しているか。

なおウクライナ側の発表によるロシア兵の戦死者数はすでに18,600人に達しています(4月6日現在)。これも鵜呑みにできないにせよ、もはや1万人以上死んでいることは間違いなさそうです。盗賊として死ぬより、逃げた方がいいと思います。

※2022年4月3日付「TELEGRAF」 ウクライナ・メディアに出ていた写真で、葬儀の際の遺影だと思われます。

 

 

ロシア軍は車にも爆発物を仕掛けていった

 

vivanon_sentence従軍を拒否した兵士たちは、ロシア軍が民間人を虐殺していることをわかったがために行動したのかもしれない。

当初、ブチャの虐殺は、計画的なものではなく、指揮系統が断絶されて、ストレスの溜まった末端の一部兵士が暴走したのかと私は思い、「士気が落ちたための狼藉」といった解説も出ていたのですが、規模が大きすぎます。ゼレンスキー大統領によると、ブチャの近くにあるボロディアンカという町ではもっと多くの住民が殺されているそうです(映像を見ても遺体がゴロゴロと転がっている状態ではないのですが)。

ロシア軍による虐殺は偶発的なものではありえず、計画的、組織的なものです。そもそもミサイルを適当に撃ちこんでいるだけでも民間人の殺傷を狙っているわけですし。

遺体や道路、瓦礫の中などに爆薬が仕掛けてあることからも、計画的、組織的なものであることを推測させます。

ここにSSを出した記事によると、キーウ州の解放にともなって、自分の車を取りに行った32歳の男性が、車の爆発によって死亡したという内容です。ひでえなあ。

 

 

next_vivanon

(残り 911文字/全文: 2429文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ