松沢呉一のビバノン・ライフ

戦火を逃れて安心したら、多くの人は働きたくなる—政府専用機に20人しか乗せなかった理由[パート2]-(松沢呉一)

順番としては「ブチャ虐殺はフェイクだと主張するロシア人たちと子ども騙しのフェイク説を丁寧に覆していく西側メディア」の続きですが、内容としては「政府専用機に乗るウクライナ難民がたったの20人である理由を推測する—日本に必要なもの」の続編です。

 

 

サーカス団受け入れの魅力

 

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なぜ私はHAPPY DREAM CIRCUSがウクライナの人々を受け入れたことにえらく感激したのか、以下の動画を観ていただけるとよくわかります。

 

 

 

そして、ダンサーとしてステージに立ったウクライナ人たち。

 

 

 

すっごい嬉しい。

善意に甘えているのではなく、自分の仕事をしっかりやることでコンテナの家を与えられて、ギャラももらえる。

前の映像と比べると、ダンサーが増えた分、華やかにはなってますけど、サーカス団としては経費が増えています。しかし、こうやってメディアに取り上げられれば客が増えます。「観に行かなきゃ」って気になるでしょ。そういった気持ちがなくても、「サーカスって一度も観たことがないので観てみたい」「10年ぶりに行ってみるかな」と思うきっかけになります。客の数は激増しているはずで、少なくとも数百万円分相当の宣伝です。

さらに今まで行ったことのない町からも招聘があるかもしれず、増加した出費の何倍もの見返りがあるでしょう。

客もここから何かを受け取る。ハッピーになりきれない現実はあれども、みんなハッピー。

ハッピー ドリーム サーカスのチャンネルはこちら。福岡公演は5月30日まで。

 

 

私だったら…

 

vivanon_sentence私がドン・キホーテの受け入れを礼賛したのもこれです。仕事込み。働けば負い目を感じる必要はない。ずっとその地にいてもいい。

ここまで取り上げるタイミングがなかったですが、西濃運輸も同様。

 

 

不便な場所だったりするんでしょうけど、20畳のリビングの3LDKってムチャクチャいいじゃないですか。家族4人でも余裕です。働かずにここに住むのは気が退けましょうが、働けば正当な権利です。

シミュレーション癖があるので、「もし私がウクライナ人だったら」または「もし日本が戦場になったら」とよく想像します。面倒臭いので私は逃げないと思いますが、「もし逃げるとしたら」です。

「知り合いがいる場所」「行ったことのある場所」「言葉が通じそうな場所」という三条件で決定しますが、さらに贅沢を言えば「仕事がある場所」。あるいはこれが最優先の条件になるかもしれない。「深夜の清掃の仕事がある」ということなら、知り合いがいなくても、行ったことがなくても、言葉が通じなくても、そこに行くな。ウクライナのダンサーがそうであったように、実際にはそれら三条件を満たしている場所の方が仕事も探せましょうけど。

これは私だけでなくて、多くのウクライナ人が日本に来てすぐに「仕事を探したい」と言います。命からがら逃げてきたんだから、しばらく何もしないで遊んでいてもいいのに、善意に甘え続けるのは心苦しいのです。

 

 

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