松沢呉一のビバノン・ライフ

一度の戦闘でZ戦車が大量破壊されることが連続している—ロシア軍、全滅への道-(松沢呉一)

小麦の高騰・スシローの値上げ・ロシアの山火事はすべてロシアの侵略戦争が一因—プーチンは地球の敵・人類の敵」の続きです。

 

 

フセヴォロド・ボブロフはおそらく再起不能

 

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前回軽く触れた黒海艦隊のフセヴォロド・ボブロフの件について、ウクライナ国防省は何も公表していないようですけど(見逃しているだけかもしれない)、オデーサ市当局が「フセヴォロド・ボブロフ炎上」と言っています。

 

 

原因にまでは言及していないながら、ニュアンスからして、ウクライナ軍の攻撃によるものでしょうけど、マヌケなロシア軍のことなので、甲板で花火大会をやっていて燃え広がったのかもしれん。

フセヴォロド・ボブロフは貨物船のようにも見えますが、貨物輸送、後方支援、曳行、遭難救助など多目的な船として、昨夏にロシア軍にデビューしたばかり。短い一生でした。沈没したのかどうかはわからんですけど、前回見たように、もはやロシア軍は人員不足とヘリコプターやドローンの不足と予算不足で、ロシア史上最大規模の山火事に対処できなくなってます。プーチン宮殿もプーチン自身も全部燃えればいいのに。

経済制裁によって部品が入手困難になっており、航空機でも車両でも船舶でも故障すると再起不能。前に、整備していたはずの戦車がどれも使えなくて自殺した将校がいましたが、部品が調達できなくなっているのが原因だったのかも。部品が盗まれた、あるいは軍内に横流ししたのがいた可能性があるわけですけど、こういう状態だと高く売れるでしょう。

沈没にまで至っていなかったとしても、攻撃を受けたフセヴォロド・ボブロフは当面再起不能です。

山火事に費やすリソースさえ不足している現実を見ると、ロシアはできるだけ早く戦争をやめないと、10年では取り戻せない損失を蒙ることになります。たとえば武器輸出国としてのロシアは壊滅です。「誰が、あの弱いロシアの兵器を買うのか」と評価が地に落ちた上に、もはや兵器を作れる状態にはありません。経済制裁の効果は大きいのです。

 

 

一度に52両を撃破する記録的戦闘

 

vivanon_sentence私は黒海方面を中心にチェックするようにしているのですが、東部におけるウクライナ軍の反転攻勢がすごすぎて、目が離せないです。

5月10日、ルハーンシク地域を流れ寝るセヴェルスキードネツ川にかかる橋をロシア軍の大隊が渡ろうとしたところでウクライナ軍が橋を爆破し、多数が川に叩きこまれ、逃げ惑う戦車をことごとく撃破。3ダースの戦車を含む総計52両の車両の墓場が出現。

「世界武器博覧会」が開催されているウクライナにおいて、英米トルコの兵器の評判を高める見せ場をロシア軍は作ってくれました。

ウクライナ軍は「人種差別者のピーチ開き。泳いでいる者もいれば5月の太陽で焼かれた者もいる」と書いていて、ちょっとシャレがきつすぎる気もしますけど、今回の戦争で、一度の戦闘では最大規模の戦果でしょう。

たしかに以下の映像は墓場です。

 

 

 

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