カルッシュ・オーケストラがユーロヴィジョンで獲得したトロフィーはドローンの資金に—ロシア軍に殺された祖父を歌う9歳の少女-(松沢呉一)
「闘うウクライナ+ベラルーシ+ロシア のミュージシャンたち—チーナ・カーロリ/ANTYTILA/Bi-2」や「マリウポリは陥落しても、闘いは続くし、ロシア国内で火炎瓶は飛ぶ」あたりから続きます。
カルッシュ・オーケストラ「ステファニア」の話題は続く
ロシアがウクライナに侵攻してから早3ヶ月。どうしたって関心は薄れてきます。ロシアでさえもそう指摘されています。ロシア政府としては、なんとか国民総動員を実施して、死ぬ人材を片っ端から徴兵したいのに、厭戦気分と無関心が広がるばかりではまずいと話題作りに必死ですよ。
ちょっと前に、ボリソフ副首相がドローンを撃ち落とすレーザー兵器の使用を公表。しかし、今のところ、そんな兵器を使った兆しがないと一蹴されています。使用していることが誰にも気づかれないステルス最新兵器です。
敵は何も発表していないのに、次々とドローンが墜落していく最新兵器がもっとも怖く、発表しているのに、何も効果が出ていない最新兵器がもっとも笑えます。
対空砲が在庫切れで補充できないし、製造もできないので、得意のハッタリ砲を発射したんだから、各国もおつきあいでビックリくらいしてあげましょうよ。
たぶんあれも国内向けじゃなかろうか。ナチスドイツでも、秘密兵器(Wunderwaffen)で最後は逆転すると本気で信じて死んでいった国民がたくさんいました。ホントにナチスドイツとロシアは似ています。
そんな中、意外にも長持ちしているのはカルッシュ・オーケストラの話題です。
ユーロヴィジョンは、例年通り、音楽サイト以外では日本ではあんまり取り上げられていないでしょうけど、カルッシュ・オーケストラがドローン購入資金を得るためにトロフィーと帽子をオークションに出したという話は大きく取り上げられてます。音楽だけでは弱いけれど、金がからむとネタになりやすい。
知らない人が多いんだから、ちょっとくらい曲を紹介すればいいのだけれど、YouTubeだと著作権がひっかかるのかな。
地名としての日本語は「カルッシュ」が一般的なので、私は「カルッシュ・オーケストラ」としましたが、実際の発音は「カリウシュ・オルチェストラ」に聞こえます。この報道では「カルーシュ・オーケストラ」という表記になってます。日本語としてどう表記するかは難しいですわね。
カルッシュ・オーケストラ「ステファニア」のニューヴァージョンMVは2千万再生回数を突破
このように関心を維持するためには新規のネタってもんが必要で、カルッシュ・オーケストラが話題になり続けているのは、彼ら自身が話題になる工夫をしているからです。
「ステファニア」の新ヴァージョンを出してきたのはインパクトがありましたよ。再度埋め込んでおきます。
その内容のわりに、当初動きが鈍いようにも感じましたが、ついさきほど2千万再生回数を超えました。ユーロヴィジョンでの「ステファニア」の動画ももうじき2千万再生回数に達します。どちらもまだ数字は動いていて、泣きながらリアクション動画で拡散している人たちが多数いますので、3千万再生回数まで確実に行きそうです。
しかし、もしロシア人がこの動画を推奨すると、「入隊事務所への連続火炎瓶闘争を煽っている」として捕まるかもしれない。あるいはウクライナ人たちの闘いを讃えていますから、「ナチスの宣伝をした」として捕まりかねない。くっだらねえな、ホント。
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