松沢呉一のビバノン・ライフ

ウクライナ人が日本に避難するとしたら、どの都道府県のどの市町村がいいか—その選択で環境は大きく違ってくる-(松沢呉一)

 

ウクライナ人を受け入れてワンルーム・マンションに3人で同居

 

vivanon_sentence

日本に来たウクライナ人に関する動画はできるだけ見るようにしているのですが、以下はオススメの1本。

 

 

ロシア人のリューさんと、日本人のショーゴさんの夫婦のチャンネルです。あくまで雰囲気、あくまで褒め言葉ですが、リューさんはヤンキーがちょっと入っているので親しみやすいです。

そこにウクライナからやってきたのが、リューさんの知り合いのダーシャさん。ダーシャさんはウクライナでの独学であそこまで日本語が話せるようになっているのがすごい。

今は3人でワンルーム・マンションに同居。知り合いと言っても会ったのは1回のみで。日本で2回目。2回目以降は連日会ってます。その関係で受け入れたこの夫婦は偉いけど、実際のところ、ワンルームに3人で暮らすのはきついべ。楽しいのは最初だけ。

日本人の居候だと、気を使って夜遅くまで外出したり、時には「友だちの家に行く」と噓を言ってネカフェに泊まったりもしましょうが、日本に来るのは初めてで、金銭的余裕もないダーシャさんには不可能かと思います。

ダーシャさんは自分が受け入れ先となってウクライナから家族や知人を呼びたくても、この環境では無理ですから、そろそろ出ないとね。

 

 

うまくいっている人たちばかりのはずがない

 

vivanon_sentence医薬品が入手難、銀行が使えないので現金が手元にない、インターネットがつながりにくいといった現地の話も貴重ですけど、そちらはまだしも各国への難民たちから語られていますし、現地取材もなされています。

この動画がよかったのは「日本に来ても、スムーズに事が進んでいるわけではない」という点がよく語られていたからです。

頻繁に報道されるのは「市営住宅を内覧しました」「親子で3DKの家に無料で住めて、水道代も無料です」「家具も行政が寄付を募りました」「子どもが小学校に入学しました」「市独自の援助金10万円が手渡されました」「親切な会社が雇ってくれました」といったように、いかにスムーズに、かつ手厚い援助が施されているのかがわかる内容が多いわけですが、そうはいかないケースもあるってことですよ。むしろ、なにかしら不便、不都合を強いられている人たちが多いでしょう。

受け取ることができることになっているお約束は十分だけど、ひとつも受け取れていない」というダーシャさんの言葉をしっかり聞いた方がいいですね。

リューさんとショーゴさんとしては、「そろそろなんとかしてくれ」と援助をせかすつもりでこの動画を撮ったのかもしれないですが、動画を撮っている暇があるなら、行政に頼んだ方がいいと思います。税金払っているんだから。

彼らは日本財団アパマンショップに連絡しただけのようですが、東京のようですから、まずは都庁に行った方がいい。受け入れ実績のない自治体にやってきた場合は役所も手間取ってしまうことがあるようですが、さすがに東京はけっこうな数を受け入れているし、人員もいます。

民間の方がスムーズな場合もありましょうけど、家の提供はそれ相応の手間がかかりそうだし、金が儲かるわけではないので、企業としても人や時間を割けないってこともありそうです。それにしても、すぐに決めたい住居が3週間経っても決まらないのでは意味ないわね。

特定在留ビザのうちに仕事を決めるなり、学校に入るなりして、次のビザを獲得しないと、日本にいられなくなりますから、時間を無駄にしない方がいいと思います。急げ!

※東京都のサイトより「ウクライナ避難民への主な支援策について

 

 

next_vivanon

(残り 1020文字/全文: 2564文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ