「ロシアの日」のプロテスト—「ビッグマックを返せ」「今日は私の日ではない」「Zは殺人のシンボル」-(松沢呉一)
マクドナルド撤退後の新ハンバーガー・ショップにプロテスト
度々書いてきたように、このところ、ロシアでは火炎瓶を投げるプロテストがトレンドになっております。その多くは徴兵を司どる入隊事務所が対象で、徴兵されることを嫌う若い世代が個人的、散発的にやっているのだろうと見られています。「個人的」というのは、組織的ではないという意味であり、複数の犯行であっても、その中での決定であって、広がりはありません。
それとは別に、軍事施設や準軍事施設に対する放火や爆破も相次いでいて、こちらは手口が高度で、組織的、計画的なものでしょう。すべてではないかもしれないですが、ウクライナ軍の工作部隊が動いているとの説も出ています。あるいはロシア国内の勢力か。あれだけ広範囲で行動できる組織はそうはないと思いますが、5人もいれば可能なので、未知の組織である可能性も拭えません。
6月12日、「ロシアの日」に、どんなプロテストが行われるのか注視していたのですが、逮捕されることなく成功したのはこれだけかも。
この映像ではわからないですが、あのあと店外に連れだされていて、たぶんそれで終わったのだと思われます。偽情報ではないし、政府や軍の直接的な批判でもないですしね。
私にはやっぱりマクドナルドのようなファストフード店や服屋が経済制裁として撤退する意味がわからんです。ただパクられて終わりじゃないですか。
「ロシアの日」に捕まった人たち
あとはきれいに捕まってます。
以下のバナーは完成度が高いです。
Protest outside the Ministry of Defense in #Moscow: "Today is not my day". pic.twitter.com/LAB5oHcIEr
— NEXTA (@nexta_tv) June 12, 2022
ロシア国防省の前にある川岸に「今日は私の日ではない」というバナーが出されました。声明を書いた文書も配布されたか、貼りだされたようですが、捕まってます。
以下も捕まってます。
巨大なZが掲げられた劇場の前での行動。あのプラカードには「Zは殺人のシンボルです! 誇りに思うことは何もありません」と書かれていたそうです。これをやったアレクサンダー・メッツァという人物は反戦活動家。
これは政府の弾圧情報を流しているOVD-InfoのTelegramアカウントです。ここが多数の情報を流していて、「メデューザ」も「メディアゾーン」もここをよくネタ元にしています。
マキシマ・フェデセーワは、ウラジオストクで「自分から非ナチ化を開始する」というポスターを掲げて連行されています(「ロシアから非ナチ化を始めるべし」という意味か?)。。
「おお、草原の赤いカリーナ(Ой у лузі червона калина)」を歌って連行されたストリートミュージシャンもいたそうですが、動画や写真は見当たらず。
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