「このまま人類は滅亡するんじゃないか」と問われた夜—滅亡する可能性が高まっている中でできること-(松沢呉一)
どこに行っても「暑いですね」
暑いっすね。雨がほとんど降らないまま、梅雨明けへ。
一昨日(日付は昨日)の清掃もきつかったです。熱中症手前って感じで、頭痛がひどくてさ。それでも窓やドアを全開にして、頻繁に水分を摂って、時折脱衣場の扇風機に当って、なんとか倒れないで済みました。頭がボーッとしてて、やらなければならない作業を飛ばしたのか、いつもより早く終わりましたぜ。
「もし朝までだったら」「もし昼間だったら」と考えると、倒れない自信はありません。今と同じ条件でも、この間のように連続4日となると限界に達しますが、野球の投手と同じで、連投しなければ疲れはとれます。
しかし、夏はこれからが本番であり、経験したことのない期間、経験したことのない気温が続きそうですので、先が思いやられます。
今回の暑さでさすがに「地球はおかしくなっている」との実感を得た人も多いのではないでしょうか。いくら言われても実感がなかったものに、実感が伴ってきています。
昨日の夕方、初めて入った定食屋でも、店の人と常連さんたちの間で「異常気象」「地球温暖化」という言葉が飛び交ってました。今は「暑いですねえ」という時候の挨拶がそこで留まらずに発展していき、地球規模の話になっていくんだと思います。
ちょうどその時、テレビで猛暑ネタをやっていたせいもあるでしょうが、テレビではただ国内の暑さをレポートしているだけだったのに対して、皆さんはもっと視野が広くて、中国の洪水や熱波の話が出ていて、「世界が狂って来ている」という視点がちゃんとありました。
私は黙ってましたけど、参加したかったです。
※この話とはなんも関係のない銭湯の写真
このまま人類は滅びるんじゃない?
これまでそんな話をしたことは一度もなかったのですが、一昨日は銭湯のおばちゃんも「このまま人類は滅びるんじゃない?」と言い出しました。暑くなると銭湯の清掃が激務になりますが、営業時間中のボイラー室もこれまで体験したことのない暑さだそうです。その実感が人類滅亡まで想像を広げたみたい。
それを受けて、私はざっと以下のような話をしました。
「いずれ気温は落ち着いて、7月8月は例年並みになることもあり得るけれど、少なくとも今の時期は異常ですよ。梅雨期に雨が降らなかったので、水不足は避けられない。水不足と高温で確実に農作物への影響が出ますね。ヨーロッパでも干ばつが始まっていて、その上、ウクライナの小麦が外に出ない。日本国内でも不作になる。食糧不足がもうそこまで来てます。一方で南アジアや中国で頻発しているような洪水も起きて、たぶん世界的に洪水と水不足と食糧不足で人口が減っていくと思うんですよ。食料確保の戦争も起きますし、感染症が発生しやすくなって、栄養不足のためにこれまでだったら死ななくてよかった人たちも死ぬ。人口が数十億単位で減ることによって、問題が少し解決するかもしれない」
この人口減少の過程は凄惨なものになるでしょうけど、辛うじて人類が滅亡しないで済む「夢のある可能性」を語ってみました。
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