松沢呉一のビバノン・ライフ

バレリーナとサーカスのダンサーとキャバレーのダンサー—特定活動ビザと興行ビザと就労ビザ-(松沢呉一)

日本に来たウクライナ人の姿がテレビでは見られなくなってきた—ロシア侵攻から4ヶ月で飽きられた」の続きです。

 

 

侵攻から4ヶ月でも名古屋のテレビ局は積極的にウクライナ人をフォロー

 

vivanon_sentence前回、日本に避難してきたウクライナ人をテレビが取り上げる頻度が落ちていると書きましたが、昨日は複数の名古屋のテレビ局が取り上げてました。

 

 

 

ドン・キホーテでは他でも雇用していると思いますが、映像を観たのは初めてです。一緒になって緊張してしまいましたが、うまくいってよかった。

 

上は中京テレビ。以下はCBC

 

 

ウクライナ人が着物を着るのは定番のネタ。ゲームでも歌うのは「おお、草原の赤いカリーナ(Ой у лузі червона калина)」。

これを観ても、やはり名古屋は受け入れ団体がしっかりしていて、それを取り上げるメディアもしっかりしています。戦争はまだ終わっていないってこともわかります。

 

パンのトラも報告を続けています。

 

 

わざわざ観光バスでボルシチを食べにきてくれる人たちがいると励みになりましょう。

 

沖縄、熊本、大分、新潟、静岡など、愛知以外のテレビ局でもロシアの侵攻から4ヶ月というタイミングで報道がありましたが、これからはいよいよ減っていくだろうと思います。しゃあないですけど、関心は持ち続けたいし、難民・移民をどう考えるのかといったより大きなテーマにもつなげたい。

 

 

名古屋のウクライナ・ショークラブ「マーベリック」

 

vivanon_sentence以下はずいぶん前のCBCの報道です。取り上げたかったのですが、取り上げにくくてずっと放置してました。しかし、これもまた要友紀子の立候補と関わることなので取り上げることにしました。触れにくい部分は有料パートにしておきます。言っておきますが、長いです。

5月初頭、名古屋のCBCが、ウクライナ・ショークラブが、避難してきたウクライナ人を雇用し始めたというニュースをやっていました。

 

 

アンナ店長もウクライナ人で、働いている人もウクライナ人が多いようですから、ウクライナ人にとっては安心です。

動画を観ればわかりますが、「ここには差別はない」という店長の言葉は、店で働くベラルーシ人の体験が背景にあります。彼女が沖縄にいた時に、「『ベラルーシ人はロシアと一緒だからダメ」と言われたそうです。彼女は戦争に反対なのに。

ロシア人は侵攻に賛成の率が高く、「大半は賛成」と言っていいとして、ベラルーシ人は、ロシアの侵攻に反対している人の方がずっと多いことくらい知っとけよ。政府は似たもの同士でも、国民はロシアと正反対で、「大半が反対」です。そういう国民と連帯することでこそ、ロシアの片棒をかつぐベラルーシ政府を抑制できるかもしれないのによ。

しかし、ウクライナ戦争が始まるまでは、多くの日本人のスラブ理解はそんなもんだったでしょう。ロシアをトップにして、あとの国は似たようなもん。

今だって、キリル文字を使うのは全部ロシア語を話す国だと思っている人がいそうです。そのキリル文字だって、ロシアでなく、ブルガリア発祥です。ブルガリアはブルガリア語です。

東ヨーロッパにこそ、ロシアを嫌い、槌鎌をハーケンクロイツと同等に嫌悪する人たちが多いことも知らない人はまだいるでしょう。

マーベリックのInstagramアカウント。店の打ち出しはいくつかあって、「ウクライナクラブ」はそのひとつ。ブラジル人が在籍していることもあるみたい。

 

 

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