ロシアで配布されているミュージシャンのブラックリストが公開された—国外脱出が相次ぐ-(松沢呉一)
ゼムフェラが歌うウクライナ戦争
ロシアにゼムフィラという女性シンガーがいます。言葉はまるでわからないのですが、心を突き動かす力があって、ロシア以外でも高い人気があります。
2010年の曲(自動翻訳で日本語の字幕が出せます)。
彼女はタタール人です。1998年に音楽活動を始め、多数の賞を受けています。
この人の曲を次々と聞いていたら、こんな曲が。
5月に公開。
マリウポリという言葉が出てきますが、曲のイメージにはブチャも入っていそう。
Wikipediaを見たら、ロシアがクリミア半島に侵攻した時からウクライナの国旗を掲げるなどしていて、今年2月24日、ウクライナ侵攻の日にモスクワでコンサートをやったのを最後にロシアを離れて、現在はパリ在住とのことです。国外に出ないとこの曲は出来ない。
噂になっていたブラックリストはこれだ!
ロシアでは、ウクライナ侵攻直後から、ミュージシャンたちの反戦アピールが続き、やがては反戦の曲も出てくるに至って、3月から、コンサートホールやプロモーターの間にブラックリストが配布され、それに基いてキャンセルが相次いでいると言われていました。「問題発言」をしたミュージシャンや反戦曲をリリースしたミュージシャンが出演する予定だったフェスから彼らの名が消え、単独のコンサートはキャンセルとなったのは間違いのない現実として、ブラックスリスト自体は見た人がいても、現物は確認されていませんでした。
先週になって、サンクトペテルブルクのメディア「フォンタンカ」が、このリストを公開して、国内外で話題になっています。
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