セックスワーカー出身者による国際議員連盟の難しい点—日本の要友紀子と世界のセックスワーカー出身の議員・候補者[下]-(松沢呉一)
「チッチョリーナは偉大—日本の要友紀子と世界のセックスワーカー出身の議員・候補者[上]」の続きです。
豪ビクトリア州議会議員のフィオナ・パッテン
国政の議員や立候補者は前回見た通りですが、州議会レベルでは今現在議員をやっている人がいます。
オーストラリアのフィオナ・パッテンはビクトリア州の議員にして、理性党の党首です。
1964年生まれ。2年間セックスワークに従事したあと、1992年、セックス産業の業界団体エロス協会を設立。ここでのセックス産業は、アダルトグッズやポルノが中心のはず。同年、選挙に出馬。当選したのは2000年代に入ってから(おそらく2014年)。
彼女はSWASHともつながりのあるオーストラリアのスカーレット・アライアンスとも連携して、セックスワークの非犯罪化を進めています。
理性党はセックスワークの非犯罪化を進めるとともに、ドラッグの非犯罪化も掲げています。
米・豪の州議会レベルで、セックスワーカーだった過去を公開して議員になったのはこの人くらいじゃなかろうか。
※英語版Wikipediaより
米州知事予備選に出たミミ・ミヤギ
米国の州知事候補になったのは複数います(予備選挙です)。
ミミ・ミヤギこと、メロディ・ダマヨは1973年、フィリピン・ダバオ市生まれ。6歳の時に一家は米カリフォルニアに移住。
大学中退後、メイクアップ・アーティストになりますが、やがてナイトクラブでゴーゴーダンサーとなり、ヌードモデルやポルノ映画に出演。それらの仕事では、ミミ・ミヤギという名前を使用して人気を得ます。
2006年、ネヴァダ州の知事選で共和党の候補となりますが、予備選挙で敗れました。
立候補した時の映像。
これでは当選しないでしょう。
自分は個人主義であり、政府が生き方を決定すべきではなく、政府がポケットの中に手を入れてくるべきではないと言ってます。そこは賛成。
この考え方は民主党寄りのように思えますが、新型コロナでマスクの強要やワクチンの強要を嫌ったのは共和党支持者たちだったように、共和党と民主党とどっちが個人主義と親和性があるのかの判断は難しい。
この選挙のあと、彼女は共和党を離れていますが、ともあれ予備選挙までは出られたのですから、共和党でも可能性はあります。ポルノスターは知名度があるからです。
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