松沢呉一のビバノン・ライフ

表現の自由の素晴らしさを下ネタに見た—第12回「下-1グランプリ」の優勝はぐにすち村夫-(松沢呉一)

 

TVレインに続いて、下-1グランプリも復活

 

vivanon_sentence告知をし忘れてましたが、昨日は3年ぶりの「下-1グランプリ」でした(2019年が最後だったので「3年ぶり」と言ってもいいし、本来やっていたはずの2020年と2021年が飛んだので、「2年ぶり」と言ってもいい)。今回で12回目です。

コロナ禍以降、下ネタを思い切りできる場がなかった芸人さんもいます。下ネタに限らず、出られる場がなかった芸人さんもいます。ひさびさの出演で皆さん興奮気味でした。

決勝に残ったのは、殿方充八幡カオルぐにすち村夫の3名。順当です。

決勝のトップバッターは殿方充で、予選がタイムリーなネタだったのに対して(コロナ・ネタなので、すでに古いとも言えますが)、決勝のネタは使い古し感がありました。その点、小池百合子ネタを決勝にもってきた八幡カオルが優勝かと私の中ではほとんど確定。

と思わせておきながら、最後のぐにすち村夫の爆発力がすさまじく、優勝はぐにすち村夫でした。まさかの2連覇。

 

 

ぐにすち村夫の破壊力

 

vivanon_sentenceすっごい不思議だったんですよ。「何が国葬だ、それも俺らの税金だろ」と皆が思っていることを言っただけだったのに、それをぐにすちさんが言うことで大爆笑に次ぐ大爆笑。あの爆発力は自家製の銃くらいの威力がありました。

TOCANAを辞めた角由紀子さんが審査員の一人で、彼女は決勝の前に「不謹慎とエロと笑いの関係」みたいなコメントをしていて、それをまざまざと見せてくれたぐにすち村夫でした。

不謹慎とエロを表現できるのが自由な社会であり、不謹慎だから規制していい、エロだから規制していいという発想は大きな間違い。

ちみなに私が安倍晋三射殺の件についてその後触れていないのは、「いまさら統一教会のことをワシが書いてもな」と思っていたためです。私は大学の時に原理研(統一教会の学生組織ね)との闘いをやっていたので、そこそこ統一教会には詳しいのですが、私が知っているような話は誰でも知っているべ。でも、霊感商法が話題になってからずいぶん経っていて、若い世代はあんまり知らないんですね。

時間が経ってしまったので、どのみちもう書くまでもないけれど。

 

 

銭湯で観たかったNHKの番組

 

vivanon_sentence知り合いとダベっていたら、時々近所の銭湯に行くと言います。屋号を聞いたのですが、どんな銭湯か全然思い出せませんでした。東京の全銭湯を回っても、大半を覚えていないので、回った意味がない。

あとで地図を見て思い出しました。近隣に目印になる物件がなく、なんの変哲もない住宅街にあります。道がうねっているので、地図がないと行きづらい。

銭湯巡りをしている時は、スマホを持ち歩かないようにして、交番で警官に聞いたり、通行人に聞いたりして辿り着くことを楽しみにしていたのですが、この銭湯は通行人に聞いても知っている人がおらず、1回挫折して、別の銭湯に行って帰ってきたはず。

そのことは思い出したのですが、それしか思い出せない。そこで数日前に行ってきましたさ。この日はスマホを持っていたので、迷うことなく着けました。木造の建物の入口を改装した、よくある銭湯で、とくに特徴はなく、これでは覚えていないのは当然ではあります。わざわざ遠くから行くほどのことはなかったのですが、たぶん前に行った時にはなかった「洗い場のテレビ」がありました。

 

 

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