松沢呉一のビバノン・ライフ

スマホ熱中症・ATM熱中症・地球熱中症—気候と人体と機械の関係-(松沢呉一)

 

スマホ熱中症か

 

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前に書いたように、7月に入って椎間板ヘルニアがひどくなり、右足が強い痺れと痛みに襲われて、寝る時は鎮痛剤を服用していましたが、その後、痛みは弱まって、今はもっぱら痺れだけなので、なんとか我慢できて、鎮痛剤を控えています。

たまたまかもしれないけれど、東京の天候がおかしかった時期に椎間板ヘルニアもひどくなっていたように思います。

そん時はまだ足が痛かったのですが、先週、第12回「下-1グランプリの前に阿佐ヶ谷の駅からちょっと離れたところにある銭湯「第二宝湯」に歩いて行きました。

周辺の佇まいも、建物の外観も、まったく記憶になくて、フロントで聞いたら、外観と入口と脱衣場をリニューアルしたとのこと。

洗い場は以前のままで、他にはない特徴があるのですが。それも覚えてませんでした。記憶にない銭湯を再訪するのは楽しい。

外に出てスマホで地図を見ていたら、いきなり電源が落ちました。家を出る前に充電していたので、バッテリー切れはあり得ない。

阿佐ヶ谷ロフトAで、充電させてもらったのですが、うんともすんとも言わず。もう古くなっていてバッテリーが寿命かもしれない。「下-1グランプリ」のステージ写真がなかったのはそのためです。

翌日、ショップに持っていったら、瞬時に直りました。

「もしかすっと、これって高温のためですかね」

「断定はできないですが、外で使っている時にこうなったんだったら、スマホ熱中症の可能性は十分ありますね」

つうことでした。「スマホ熱中症」って言うのか。

先週は例年並みの暑さだったんじゃないかとも思うので、これが暑さのためだったとしても、日本が暑くなってきていることの証拠になろうはずがないですけど、日本が暑くなってきていることの証拠ではないとも言えない。「スマホが壊れる時代には地球も人も壊れるよなあ」と思いました。

 

 

アルコールでタッチパネルを消毒する老夫婦

 

vivanon_sentence続いて本日のこと。振り込みのため、銀行のATMコーナーに行きました。私の前に70代と思われる老夫婦がいまして、彼らの番になって、ATM機の前に行くと、アルコールのスプレーでタッチパネルを消毒しています。たしかに誰が触ったかもわからんですから。

新型コロナの対策ではなく、強迫神経症の夫婦かもしれない。強迫神経症は伝播しますので、夫婦揃ってということもあります。

このタイプの強迫神経症だったらたいていコロナウイルスにも過敏になっているでしょう。

前から言っているように、こういう人たちに私は反感はないです。周りがどうしようと、自分たちの儀式を貫徹しているのですから、尊重するまでです。しかし、この人たちが自分らの儀式を他者に押し付け始めたら反発します。

私はそのすぐあとで別のATM機で振り込んだのですが、「あれ? あの夫婦は、現金をどうやって受け取るんだろう」と不思議に思いました。現金にもアルコールをかけるのか、手袋をするのでしょうか。

彼らはマスクをしていても、眼鏡もゴーグルもフェイスシールドもしておらず、ああも気にしながら目からの感染は気にしないようです。どこで納得するのかは人それぞれです。タッチパネルは気にしても、現金は気にしないのかもしれない。

老夫婦からはちょっと離れていたため、現金をどうするのかまでは見えませんでした。

※2022年7月23日付け「FNNプライムオンライン」 スマホが発する熱があるため、気温以上にスマホの温度が上がり、時には発火することもあるとのこと。スマホ火災も起きているんかな。

 

 

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