松沢呉一のビバノン・ライフ

炎天下でマスクをしながら「暑い暑い」とボヤく人を見ると「人類は滅びる」と確信する—気温が体温を超えると危険な理由-(松沢呉一)

 

北陸・東北の大雨はこれからの日本を占う重要な意味を持つ

 

vivanon_sentenceさすがに日本でも今年の天候はこの世の終わりが近いことを感じさせないっすか?

今回の北陸、東北を中心とした大雨の重要ポイントは、台風が上陸したわけではなく、線状降水帯によるものだってことです。それでも各地で降雨量の記録を塗り替えました。

でも、今回の大雨を、フラッドリストは取り上げてません。時間差があるので、これから出る可能性も高いですけど、フラッドリストで洪水を見る目が肥えている私からしても、「取り上げないのはおかしい」とまでは思えない。

いくら川が氾濫し、橋が崩落し、道路が冠水し、床下浸水し、各地で降水量が1時間に100ミリに達していても、災害としての迫力がない。各国の洪水では、濁流に家や車が流されていく動画や写真が出てますが、そこまでではないのです(北陸でも建物は流されていますが、映像がない)。

数日前の米ケンタッキー州の洪水では少なくとも15人が死亡していて、死者が二桁に達して洪水は一人前です。これから発見される例もありそうですが、日本ではまだゼロだと思われます。

台風慣れしているので、日本はわりと治水対策がしっかりしていて、行政の対応も迅速かつ的確に見えます。雨量が多くても、災害の規模としては小さくなるのではなかろうか。

しかし、今回の大雨が意味することは大きくて、これから毎年これが全国で起きることを覚悟した方がよさそうです。

「Floodlist」の最新洪水ニュースは8月3日付のガンビアでの洪水。少なくとも2名死亡ということで、そんなにたいした被害ではない。

 

 

予想できないことが起きる

 

vivanon_sentence地中海沿岸、北米、シベリアに比べると日本はまだ大規模な山火事がない。山火事がないと世界レベルの気候変動とは言えません。

その後も中国で街路樹が煙を出している映像が出てますが、あれはやはり地下の施設から出た煙が木の空洞を通して地表に出たものとしか思えないです。

「気温が40度を超えると樹木が自然発火する説」を私は信じてないですけど、発火の原因はなんであれ、「40度を超えると木が乾燥して燃えやすくなり、山火事が広がって、消火が困難になる」とは言えそうですから、今後日本でも注意が必要です。

山火事が頻発すると、とくに日本は厳しいことになりそうです。山と民家や宿泊施設が隣接してましょう。シベリアやカナダとはワケが違います。

「気温が上がると山火事が増える」なんてことは実際に山火事が増えるまでは誰も予測していなかったのではなかろうか。

このように、実際に起きてみないと予測ができないことがさまざまあります。予測できないことは仕方がないとして、予測できるのにしようとしていないために大惨事になることもありそうです。予測できることは予測しましょう。

※2022年7月29日付「Floodlist」 米ケンタッキー州の鉄砲水で少なくとも15人が死亡。ケンタッキーの歴史の中でも最悪の災害のひとつとのこと。

 

 

暑くなると鉄道は運休する

 

vivanon_sentence北陸・東北の大雨の前に、私が注目したのは以下でした。

 

 

1916年に流鉄が創業して以来初の事態。

 

 

next_vivanon

(残り 1249文字/全文: 2641文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ