松沢呉一のビバノン・ライフ

いよいよクリミア奪還作戦がスタートか—ここまでの補足や追記-(松沢呉一)

 

オフシャンニコワさん、今度は自宅軟禁に

 

vivanon_sentenceプッシー・ライオットの功績を改めて実感した—ロシアから脱出した人々の調査[付録編]」に書いたように、またも罰金刑となったマリーナ・オフシャンニコワさんですが、その直後、裁判所の命令で自宅軟禁されました。

今回はクレムリンの前の堤防で、「プーチンは殺人者だ。彼の兵隊はファシストだ。352名の子どもが亡くなった。あなた方がやめるためには、あと何人死ねばいいのか」と書かれたプラカードを出して、単身で抗議活動をした容疑です(「オフシャンニコワさんが逮捕された模様—そんなロシアでも性器表現が無罪になった」参照)。軍に対するフェイクニュースで、最長、10年の懲役。

メディアゾーン」によると、ドイツでの仕事は3ヶ月の契約で、契約が切れたためにロシアに戻ったとのこと。戻らない選択もあったのですが、夫(「元」だと思います)が未成年の娘の親権で訴訟を起こしているために、戻らざるを得なかったようです。

で、モスクワに戻って反プーチン、反戦活動を続けているってわけです。いよいよ親権が遠ざかりそうですが、すごい人ですよ。

※2022年8月11日付け「Медиазона」 ここに出ている写真は法廷の様子ですが、彼女のここまでの行動がまとめられています。

 

 

クリミアのロシア軍飛行場爆破はウクライナ軍のクリミア奪還計画の始まりか

 

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続いての補足は「3ヶ月ぶりの「ロシア将校戦死情報」とロシア支配地域でのパルチザンの暗躍」に書いたクリミアのロシア軍飛行場の爆破です。

衛星画像の分析で、少なくとも8機の飛行機が破壊されたことが確認できます。もっと破壊されているように見えますが、確認はできないとのことです。

また、多数の建物も破壊されたことが確認でき、やはり「事故ではないぞ」ということになってきてます。

ロシア軍は「攻撃されたのではない」「航空機の被害はない」とわざわざ発表したことで、いかに彼らにとってこの攻撃がショックだったかわかりましょう。

クラスター爆弾で辺り一面に攻撃を加えたような被害状況ですが、ウクライナ軍にはクラスター爆弾を搭載できる弾道ミサイルはないそうです。

そこで、爆薬を仕掛けたのではないかという話になって、正規軍の特別工作隊か、パルチザンか、あるいは両者の合同かという説になるのですが、相当に用意周到に、相当大掛かりにやらないとああはならず、これも推測の域を出ません。

ウクライナ軍は何も具体的なことを言ってないのですが、クリミア奪還作戦が始まる情報が流れていたので。これがその第一弾ではないかとの見方も出ています。

※2022年8月11日付「BBC」 衛星写真も掲載されています。

 

 

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