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【コラム】大﨑玲央、神戸移籍を決断。


J1神戸から大﨑玲央に夏の補強としてオファーが届いた。結論から言うと、大﨑はそのオファーを受ける決断をした。

公式リリースが出て、シーズン途中の移籍という点では驚きがあるかもしれない。また、後半戦での盛り返しが必要な中で主力選手を慰留できなかったのか、大﨑自身はどういった判断だったのか、リカルドロドリゲス監督の意見はどうだったのか。色んな思いが交錯するが、大﨑は今節・山形戦翌日24日(日)の練習が最後となり、25日(月)に移動、26日(火)に神戸が和歌山県で行っているキャンプに合流する予定になっている。

大﨑自身に移籍の経緯と心境を尋ねた内容をインタビュー形式で掲載したい。

――オファー時期や意図は?
第18節・町田戦(1●2)の後に正式なオファーをいただきました。プレシーズン中のプレーを観て、そのときの評価が高かったという風に聞いています。意図としては、今年から神戸が掲げているポゼッションサッカーの中でビルドアップを期待されてのオファーでした。リーグ戦が始まってからもホームゲームを観に来てくれていました。(他にも候補選手はいたと思いますが)リストの中ではトップだと言っていただきました。

――神戸が興味を示している話を初めて聞いたときの気持ちは?
選手として評価されたこと自体は素直に嬉しく思いました。ただ、シーズン中であることが自分の中でひっかかりました。今年は副キャプテンも任されていますし、いまは特にチーム状況が悪いときです。途中で抜けて自分だけ別のチームに移るというのは、言葉で表現し難いですが申し訳ないというか自分の中でひっかかりました。ただ、J1はプロになる以前から目指してきた舞台で、プロになってからはよりその思いが強くなった舞台です。色々な思いがありながらもJ1でプレーできるチャンスがきた中で、冬まで待ってオファーが再びある保障はありませんし、自分の年齢を考えたときに最もいい状態だと思いましたし、同時にラストチャンスでもあると思いました。そう考えるようになった中で新しいチャレンジをして、もうひとまわり成長したいという思いで決断しました。

――2つ返事で「はい、行きます」とはならなかったと思いますが、決断するまでの期間に話や相談をしましたか?
徳島のチームメイトもそうですし、過去お世話になったチームメイトにも話をしました。自分の中では色々な葛藤があるにせよ、「行くことがベスト」だと思いました。みんなも「行くべき」と話してくれました。そして、神戸が目指しているサッカーが徳島と似ているということも要因でした。もちろんDFとして守備もしっかりやなければいけないですが、求められている内容が最も自分の特徴を出しやすいビルドアップの部分であったことも大きかったです。

――当然ながら岡田強化部長、リカルド監督ともに慰留の話になりましたよね?
はい。岡田さんからは「この冬まで残って欲しい」という言葉をいただきましたし、リカ(リカルド監督)からも「監督の立場として止めるのは当然だし、本当に冬まで居て欲しい」という言葉をいただきました。ただ、リカから最終的には「その契約が冬までいきているわけではないのであれば、選手としては行くべきだろう。海外であればシーズン途中にオファーが届いた際に、そのときは行かない判断をしても次のシーズンに向けたサインをすることもある。ただ、そういった契約ができないのであれば、私は何も言うことはない。もちろんチームとしてはボールを握る上でロスになるかもしれないが、そこはお前の人生だ」という言葉もいただきました。

徳島のチーム・選手が好きですし、去年プレーオフに行けなくてJ1昇格もできなかったので成功とは呼べませんけど、このサッカーに自信を持って、いつからか自分のプライドにも変わったじゃないですけど、「絶対に上でできる」「J1相手でも通用する」という思いが強くなりました。そして、このチームでJ1に上がりたいという思いが強かったのも事実です。なので、やり残した気持ちもあります。

――夢に向かって決断したのであれば、神戸で自身を証明することが、徳島にいる選手やファン・サポーターに対する最大の役割なのでは?
はい。正式にオファーをいただいたことは、自分もそうですし、徳島がチームとしてやってきたことが間違っていなかったという証明でもあると感じています。神戸に行って、出場して、認めさせるじゃないですけど、J2であり、徳島がこういうサッカーをしていたんだということを見せることがいまできるベストなことだと思います。

大﨑とは主にこういった内容の話をした。そして、伝えて欲しいと言われたのが、徳島の方々に「本当に感謝しています」という気持ちだった。今節・山形戦でプレーするのかどうかはリカルド監督の判断だが、出場するのであればプレーでもその気持ちを示してくれることだろう。また、この時期の移籍ということは当然ながらクラブに移籍金という形で財産を残している。

選手が去ること自体を喜ぶことはできないが、現在16位と苦戦しながらも上のカテゴリーから引き合いがあること自体はポジティブな要素。これで、現体制となって大﨑を含め、渡大生(広島)、馬渡和彰(広島)と3選手をJ1に送り出した。正確には、引き抜かれたという表現かもしれない。まだまだチームに引き留めることは難しいカテゴリーや規模かもしれないが、ここ数年で可能性のある選手を徳島に獲得できるようになり、成長できる土台が積み上がっているのも事実。こういった継続の中で有望な選手が自ら「徳島へ行きたい」となる日がくれば、面白い未来が開けてくることだろう。

そのためにも、まずはいまの順位で低空飛行していてはいけない。必ず浮上し、内容も結果も魅力的なチームであり、価値のあるクラブであることを証明してもらいたい。

最後に、神戸ファン・サポーターの方へ。
大﨑玲央をよろしくお願いします。

Good luck, Leo.

reported by 柏原敏

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