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無料記事 【レポート】2012 Jリーグディビジョン1 第26節第1日 FC東京対川崎フロンターレ 速報 マッチレポート2(2012/09/22)

2012 Jリーグディビジョン1 第26節第1日
2012年9月22日 19:04キックオフ 味の素スタジアム
FC東京 対 川崎フロンターレ(リーグ:6勝3分6敗)
[入場者数]34,822人 [天候]曇、無風、気温23.7℃、湿度76% [ピッチ]全面良芝、乾燥 [試合時間]90分
【マッチコミッショナー】菊地秀夫【主審】松尾一
<勝ち点37→37>FC東京1-2(1-2)川崎フロンターレ<勝ち点33→36>

ファーストハーフのリザルトを比較してみるとシュート数はFC東京9に対して川崎フロンターレ1。一瞬の隙を衝いて中村憲剛がワンツーで抜け出し、クロスバーを掠めた一撃、あの一本だけだった。
フルタイムトータルでもシュート数が17対6と東京が多く、ゴールキックはその裏返しに6対16で川崎のほうが多い。もし判定で勝負が決まるスポーツなら、東京が勝っていた。
しかし現実には2点を獲った川崎が勝ち、東京が敗れた。すると勝負の分かれ目は、セカンドハーフの序盤、キックオフしてから東京が2失点目を喫するまでの10分間ということになる。

試合経過を振り返ってみよう。
まず開始2分でセンターフォワードのルーカスにボールが入り、チャンスになる。1トップに当て、落とし、そのボールを拾って三人目につなげるという連携が今季の基本線だから、東京としては自分たちのやり方にはめることができていたことになる。
前節の反省を活かして、課題であった「立ち上がりの悪さ」は解消されたようだ。直後には米本拓司がこぼれ球をミドルシュート。石川直宏のコーナーキック、フリーキック、7分にショートカウンター、9分にコーナーキックとチャンスがつづく。10分に石川からのクロスを米本がシュートし損ない、17分にはペナルティボックス内でルーカスのシュートを受けた石川がシュートし損なう。この間、川崎にあったチャンスは、8分に中村から大島僚太に出たスルーパスの場面と、14分の中村のシュートくらいのものだった。
川崎は3トップのはずだが、山瀬功治は左サイドを中盤へ、バックラインへと落ちていき、瞬間的に4+1バックのような状態になったときもあった。
前半45分は川崎陣内で繰り広げるハーフコートゲームだった。

その後は書くのが億劫になるほど決定機があったが、両チームともにゴールは生まれず、0-0でハーフタイムを迎える。
修正する部分があるとしたら、川崎のほうだ。風間八宏監督はセカンドハーフに向け、三つの修正を指示した。

・ボランチのふたりは、相手の動きに釣られて真ん中を空けないこと。東京の攻撃はセンターフォワードにボールが入るところから始まる
・両サイドバックは一歩先に戻って後方を埋めてから前に出ること
・楠神順平は中盤に降りてきてはいけない。相手のセンターバックに張りつけ

これによって押し出された恰好の楠神が思い切って勝負に出たところで、東京の守備陣は人数が揃っていたにもかかわらず、ゴールを許してしまう。1分の出来事だ。そして東京はその後、10分にセットプレーから2点目を奪われる。

はたして1点目と2点目、どちらが分岐点だったのだろうか。
徳永悠平は「ああいう展開のときには慎重に入るべきだった。立ち上がりに1点目を決められたら駄目」と言う。
いっぽう、羽生直剛は「0-1のまま推移すれば、ひっくり返すパワーが出てきたはず。先に失点したことで、少し慌ててしまった」と言っている。

キックオフから調子の悪い試合であれば、その自覚もあり、警戒レベルは高いままだったはず。むしろ最初の45分が好調だっただけに、焦ってしまったのだろう。
打たれ弱いといえば、そうなのかもしれない。

川崎はセカンドハーフもそれほど決定機が多いわけではなかった。7分の風間宏矢のふかしたシュート、35分にやはりクロスバーの上へと飛んでしまった中村のシュート、38分に山瀬がゴリゴリと個人技で左サイド奥深くへと進んでいった場面が印象に残るくらい。
しかし東京は焦りからか、攻めはするものの得点が生まれない。
最後に前線がルーカス、ネマニャ ヴチチェヴィッチ、エジミウソンと三人の外国籍選手+石川直宏という構成になった時間帯に、ネマとエジミウソンの「精度の高さ」でゴールできたが、2点目を獲るには到らなかった。

モグラ叩きのように毎節、課題が噴出する東京。このままでよいのだろうか。リーグ戦は残り八試合しかない。

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