大分トリニータ気鋭の「頭脳」が語るJ1再開と展望(J論)

青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン

無料記事 【レポート】2012 小平グランド Jリーグディビジョン1 第27節 前日練習レポート(2012/09/28)

磐田のサイド攻撃を警戒

J1第27節対ジュビロ磐田戦を翌29日に控えたFC東京は28日、小平グランドにて午前練習をおこなった。
フィールドプレーヤーをふた手に分けてのポゼッションのあと、ほぼハーフコートのサイズでゲーム形式。リスタートをフリーキック左右、コーナーキック左右の順に、守備と攻撃を交替しつつこなし、最後に直接フリーキック。

ゲーム形式の戦術練習では、球際への激しい意識をあらわにしつつ、磐田の右サイドバック駒野友一を警戒してか、権田修一、丸山祐市、羽生直剛が左サイド守備の打ち合わせ。4-2-3-1でサイドが二枚の磐田はサイドからの崩しに特徴がある。この点について羽生に訊くと「アグレッシヴにいこうと思っている」との答えが返ってきた。
「たしかに磐田の右サイドには代表選手もいてサイド攻撃に絡み、そこからの崩しも多い。けれども、相手に合わせるのではなく、前節(対川崎フロンターレ戦)の前半のようにアグレッシヴなポジションどりから始めたい」(羽生)

相手のストロングポイントを意識するあまりに腰が引けてしまい、プレーが萎縮するのはよくないという考えがあるようだ。実際には押し込まれる状態も起きるにしろ、始めから受けにまわるよりは、高い位置取りで相手に圧力をかける状態からスタートしたいという気持ちはよくわかる。サッカーにはメンタルゲームという意味合いもある。羽生は次のようにも言っていた。
「連敗して負けたくないという気持ちが強いあまりにネガティヴになったり、ナーバスになるのは、ぼくが嫌なので(笑)。アグレッシヴな姿勢を前面に出して、主導権を握ろうとすることをやっていかないと」

チャン ヒョンスの復帰

セットプレーで目立っていたターゲットマンはルーカスや森重真人ではなく、丸山祐市とチャン ヒョンスだった。特にチャン ヒョンスは頭で二度、コーナーキックをゴールへと叩き込んでいる。本人は「一年分のゴールを決めてしまいました」と苦笑する。
これは謙遜とはちょっとちがう。もちろんいくらかは冗談だが、彼は186cmという長身のわりに、それほどヘディングが得意なタイプではない。それでいてこの日、紅白戦の後半で右サイドバックに入ったあと、そのままのメンバーでコーナーキックの練習をした際には、飛び抜けた存在感を見せた。

より強く生まれ変わろうという気持ちのあらわれかもしれない。もし対磐田戦に出場したなら、5月26日に開催されたJ1第13節対浦和レッズ戦以来四カ月ぶりの復帰となる。
ロンドンオリンピック韓国代表チームに招集されたものの、左膝を負傷、五輪本大会に出場できぬまま、無念の帰京となった。診断結果は左膝内側側副靭帯損傷、左膝蓋骨骨挫傷。全治三カ月。そこから急速に快復した。安通訳に「日本語でお願いします」と言われて「若いから怪我はすぐに治るけど、日本語はまだ」と冗談を言えるほどに元気がある。学校でもサッカーばかりで勉強をしてこなかったからだめだというが、実際にはそうとう上達している。少なくともヒアリングにはほとんど問題がない。久々に組むディフェンス陣とも、試合中にコミュニケーションをとると、意欲に満ちている。

自身の手で母国にメダルをもたらす夢は果たせなかったが、チャン ヒョンスにはFC東京がある。ここで夢を実現したいのは丸山も同じ。まだふたりが先発するかどうかはわからない(米本拓司がボランチに入る場合は高橋秀人がセンターバックに、徳永悠平が右サイドバックに入り、チャン ヒョンスはベンチにまわるとみられる)が、気がつけば両サイドバックを今季加入のルーキーが担いそうな気配になってきた。

残り八試合、ACL圏内に向けた挑戦の初手は、長身両サイドバックに委ねられるのかもしれない。そこで羽生の言う強気が見られれば、ジュビロ磐田攻略の可能性はある。

息切れしそうなチームを支えるのはフレッシュな戦力。夏の第二ウインドーで加入した選手だけでなく、シーズンイン当初は出番の少なかった新人や、故障から復帰してきた選手も、ブースターエンジンになる資格がある。平山相太も全体練習に合流し、トレーニングの回数をこなしている。彼らが見せてくれるだろう反発力にも期待したい。

○梶山陽平

「前回の対戦には出場していないが、負けているし、テツ(長澤徹前FC東京コーチ)さんがいるので(磐田には)負けたくない。ポポヴィッチ監督には『いつゴールを決めるんだ』と言われたので、この試合で決めたいと思う。ゴールを決めたら徹さんを見ようかと……たぶん腕を組んでいると思いますが」

○高橋秀人

「前節の磐田対新潟戦は観ましたが、新潟が8:2くらいの割合で押し込まれていて、パスを二本つなげず、あまり参考にはならないと思います。ただ、サイドに追い込むやり方は参考になると思いました。
サイドの攻防がサイドハーフとサイドバックで2対2になる。そこのマークの受け渡しが鍵になる。羽生さん、丸山とその辺りを詰めたい」

○米本拓司

「ホームゲームですし、リーグ戦で連敗したくない。磐田は前田遼一を起点に良い「攻撃を仕掛けてくるし、駒野友一がいいクロスを上げてくる。ちょっとでも寄せることが大事。
奪ってからのカウンターを織り交ぜてもいい。パスを廻しているだけでは勝てない。試合の状況によって守備を前からいくのかそうでないのか、変えていけたらいいと思う」

○森重真人

「(あすの試合時刻の気温が30℃と聞いて絶句、顔が蒼ざめて)……まあ、お互い様ですから。球際など、根本的なところで負けないようにとは、ミーティングでも話し合った。点は獲れていないですけど、入るときは入る。うしろがきちんと守って失点しないことが重要。
磐田は前田遼一にボールが収まり、起点となっていっかり点を獲る。そこはケアしないと。サイドからのドリブルシュートも特徴ですね。声でコミュニケーションをとって距離感を確かめ、ポジションをとりたい。
相手のプレスが強いからと、ちゃんとしたポジションをとれず、諦めて蹴ってしまうことがないようにしたい」

○ランコ ポポヴィッチ監督

「落ち着いてプレーすること。自分たちがやってきたことを出すことが大事です。両サイドバックがセットプレーの練習でチャン ヒョンスと丸山祐市になったのは練習の流れでそうなっただけで、そのまま先発になるかどうかはわかりません。
高さはあるので、そこを生かさない手はありませんが、高さがなくともいいタイミングで入っていければ、ちいさな選手でもヘディングを決められます。大久保嘉人や佐藤寿人がいい例です。まあ、彼らを含めてセンターバックもサイドバックもこなせる選手が揃っていることは(システムの運用上)アドバンテージになることはたしかですね。
梶山にいつ点が入るんだと言ったのは、パスを出せるときとシュートを撃つときの状況判断をより正しくしてほしいからです。自分がシュートを撃てるシチュエーションでは撃つことも大事ですからね。
ただ、ゴールという結果にとらわれてほしくもない。ナオがそうです。彼は責任感があるので、リーグ戦で第3節の対神戸戦以来ゴールが決まっていないことを指摘されて気にしています。リーグ戦ではそのとおりですが、ナビスコの対仙台戦(8月)でも決めていますから、そんなにゴールの間隔が隔たっているわけではないのです。彼は必要なときには、必ず点を獲ってくれます」

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック