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無料記事 2012 J1第27節【FC東京vs.ジュビロ磐田】<今週のピックアップ> ネマニャ ヴチチェヴィッチ(2012/09/30)

リーグ戦出場六試合目にして今季2点目を決めたネマニャ ヴチチェヴィッチ。長谷川アーリアジャスールから渡邉千真へと、元マリノスラインがつないだボールを左足で正確に流し込み、これが逆転の決勝ゴールとなった。
初ゴールはアウエーの対清水エスパルス戦。引き分けの結果に喜びも半分といった感じだったが、この日はホームで勝利を掴んだ直後とあり、非常に朗らかに取材に応えていた。
しまいには自虐的なギャグまでが飛び出す始末。誰もそれ以上ツッコめないなか、本人はいたく上機嫌に笑い声を漏らしていた。

ネマと決定機とコンビネーション

──どんなイメージを持ってゲームに臨みましたか?

ネマ ここ何試合かはいいプレーをしても結果がついてこなかったので、試合前は結果に対するプレッシャー、責任を感じていました。サッカーにとって結果は重要です。
前半はジュビロ磐田がすごくよかったということもあって苦しめられましたけれども、しかし後半にわたしたちが本来の姿をとりもどしてしっかりと戦えた、みんながひとつになって戦ったことが逆転につながったと思います。
その逆転劇に自分も貢献することができてすごく幸せを感じています。

──周囲とのコンビネーションは?

ネマ 日に日によくなってきています。わたしもいろいろな国でプレーしてきた経験がありますので、選手の特徴や能力を掴むことに関しては長けている。先発で出場する機会は少ないのですけれど、毎日チームの仲間といっしょにトレーニングをして長い時間を過ごしていますし、かなり仲間の特徴がわかってきた。
技術の高い選手とプレーするとイメージも一致しますし、やりやすいと感じています。

──ボールを収めることで後方からの攻め上がりを促せたと思うのですが、キープすることは意識していましたか。

ネマ 自分がそれを意識してやったというよりも、リードされているときに必要なのは、流れを変えるプレーをすること。後半、それがうまくいったと思います。後半の開始直後からアグレッシヴにプレッシャーをかけにいったということ、そして自分たちがよりゴールに向かう姿勢を見せることにも成功したとも思いますし、結果的にそういう姿勢がゴールに結びついたと考えています。
途中から入るうえでわたしが大切にしているのは、自分が入ったときにリードされているのであれば、必ず最後に、ゴールに絡む仕事をしたいと、いつも考えています。決定的な仕事をすることが自分の役割だと思っていますので、決定機の部分で貢献できてほんとうによかったと思います。

──2点目をとても冷静に決めたように見えたのですが、実際いかがでしたか?

ネマ ああいう状況のときには落ち着くことがすべて。冷静に決められたと思っています。これまで短期間にわたしがいいプレーをできるようになった経験はないのですけれども、不思議なことに、ここでは自分のよさを短期間で出しきれるようになっていると思います。それが周りの雰囲気によるものなのか、なんなのか、自分にも原因はよくわかりませんけれど、楽しめていることはまちがいがないことです。
すばらしいボールを渡邉千真がくれましたし。千真も同じ攻撃陣としてゴールが欲しいところだと思うのですけれど、きょうわたしがたまたまゴールを決められたのも、彼のすばらしいアシストがあってこそです。
彼のことをクズマノヴィッチと(冗談で旧ユーゴ風に)呼んでいます。そう呼べるのも、自分が彼より力が上だと思っているからですけれども。ジョーク、ジョーク(※英単語で)。

直接、日光を浴びてしまうので

──セルビア、ロシア、ドイツ、イスラエル、ギリシャ、キプロス、トルコと何カ国ものクラブでプレーしてきた経験から、FC東京のスタイルをどう思いますか?

ネマ FC東京がめざしているもの、いまポポヴィッチ監督が植え付けようとしているものは、ほんとうにファンタスティックなサッカーですし、それをみなさんが楽しんでいるとわたしも感じています。日本のサッカー自体がおもしろく、ウチ以外もおもしろいサッカーをする印象があります。
いままでいろいろなところでサッカーをやってきていますけれども、ロングボールを多用するチームがほとんどだった。だけどここではしっかりとつないで、テクニックと判断を活かすサッカーをする。自分には合っていると感じています。

──顔が赤いのは激しい運動で紅潮しているのか、それとも日焼けですか?

ネマ この暑い中で走ったので赤くなっています。こういう気候のなか、ハイペースで戦うのは容易なことではないですから。しっかりと練習しているチームであっても、こういう気温のもとで激しいサッカーをするのは、誰にでもできることではないと思います。
まあ、わたしの場合は、陽射しから肌を守ってくれる髪もありませんし……直接、日光を浴びてしまうので。ダイレクト(※英単語で)。(笑)。

──「シャー」をどんな気持ちでやっていたんですか。まだ動きには慣れませんか?

ネマ サポーターのみなさんと喜びを分かち合えていると実感できて、すごくしあわせでした。これが毎試合つづくように願っていますし、そうなるようにこれからも全力でやっていきたいと思っています。
「シャー」とやるときには上から拳を突き出すものと教わったんですが、わたしはアッパーのほうが好きなので。下からが気に入ってもらえないようであれば上からにしますが、理論的には下から突き出すほうが力が乗るんですよ。

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