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【レビュー】2012 Jリーグディビジョン1 第27節第1日 FC東京対ジュビロ磐田(2012/10/02)

2012年9月29日 14:04キックオフ 味の素スタジアム
[入場者数]22,165人 [天候]晴、弱風、気温28.1℃、湿度55% [ピッチ]全面良芝、乾燥 [試合時間]90分
【マッチコミッショナー】平山博光【主審】佐藤隆治
<勝ち点37→40>FC東京2-1(0-1)ジュビロ磐田<勝ち点42→42>

意外だった先発メンバー

先週、小平で高橋秀人に「加賀健一選手が故障し、しばらくセンターバックでの出場が予想されますが……」と水を向けたところ「いや、わからないですよ!」と答えられた。
28日の前日練習でディフェンスラインが右からチャン ヒョンス、徳永悠平、森重真人、丸山祐市となり、高橋が長谷川アーリアジャスールとドイスボランチを構成したのを観たときには「このことか」と思ったのだが、甘かった。
常々、選手たちが「当日になってみないとわからない」と言うように、29日になって先発メンバーは、28日の練習とは大きく入れ替わった。

<28日の練習>権田、チャン ヒョンス、徳永、森重、丸山、高橋、長谷川、石川、梶山、羽生、ルーカス
<29日の試合>権田、徳永、森重、高橋、椋原、米本、長谷川、石川、梶山、ルーカス、エジミウソン

チャン ヒョンスは梶山陽平との交替でアディショナルタイムを含めればおよそ30分間出場したし、いいパフォーマンスをしていたから、練習そのものは無駄ではなかった。また先発ではなく途中出場ということで、先発に比べれば少ないプレッシャー下でプレーできたことはさいわいであったろう。ランコ ポポヴィッチ監督自身が試合後の共同記者会見で言っていたとおり、久々の復帰戦は、集中しやすい状況にあった。
ゴールを意識するあまりほかの部分に悪影響が出ないようにと石川直宏を諭したことからも察せられるように、ポポヴィッチ監督のメンタル管理、気遣いには、一定の効果が認められる。思えば今季、丸山が初出場で潰れないようにと、用心深く彼の出場機会を選んでいた。実際、過去に新人選手が初出場でうまくいかなかった例がないではない。ポポヴィッチ監督の息をするかのように機を見たチーム運用には納得できる面もある。
しかしそうであるにしても、翻意ぶりが、いい意味でひどすぎる。敵を欺くにはまず味方から、ということなのだろうか? 高橋が「選手としても“おっ”というところはありました」と言うくらいなのだから、やはり誰もが面食らったにちがいない。
よくよく考えてみれば、個人技が巧みな小兵が両サイドハーフに揃ったジュビロ磐田に対しては、チャン ヒョンスと丸山よりも、徳永と椋原健太のほうがマークにつきやすそうな気はする。ポポヴィッチ監督がそう考えていたかどうかはわからないが、このマッチアップには納得がいく。

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