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【マッチレポート】Jリーグディビジョン1 第33節 ガンバ大阪対FC東京(2012/11/25)

終盤、渡邉千真のゴールで同点に追いつく価値あるドロー

2012年11月24日 14:33キックオフ 万博記念競技場
ガンバ大阪 対 FC東京(リーグ:10勝4分9敗)
[入場者数]19,393人 [天候]曇のち晴、弱風、気温13.3℃、湿度46% [ピッチ]全面良芝、乾燥 [試合時間]90分
【マッチコミッショナー】松永正利【主審】扇谷健司
<勝ち点37→38>ガンバ大阪2-2(1-1)FC東京<勝点44→45>
【得点者】徳永悠平(21分)、家長昭博(37分、62分)、渡邉千真(84分)

ファーストハーフ

前節先発メンバーに名を連ねていた田邉草民が先発はおろか遠征メンバーから外れるなど、高いレベルで競った結果、今節は1トップにここのところ好調の渡邉千真を起用するフレッシュな布陣になった。けがの石川直宏も先発を回避。サイドハーフは右がルーカス、左が長谷川アーリアジャスール。左サイドは長谷川と太田宏介の組み合わせとなった。いっぽうのガンバ大阪は岩下敬輔を欠く厳しい台所事情で、センターバックは今野泰幸と中澤聡太という元FC東京コンビに託された。ガンバはリーグ最多の得点数と同じくらい失点数が多く、守備力に不安があるが、レアンドロと家長昭博の夏期第二ウインドー補強コンビを前面に立てて攻撃力はリーグ屈指だけに、東京としては自分たちの攻撃サッカーを貫きながらも、いつもよりさらに集中した守備が求められた。

東京はチーム全体がコンパクトなゾーンを築くことを心がけ、ディフェンダーとゴールキーパーだけでなく、前線から積極的な守備をしてガンバにやりたいことをやらせない。プレスバックで直接奪い返すシーンが何回も見られたほどだが、それでもガンバはあわやゴールという決定機をつくってくる。ファーストハーフが始まって7分、右からのクロスをチャン ヒョンスが頭で弾いた、そのクロスボールを拾った倉田秋がレアンドロにパス。レアンドロは東京のディフェンスラインとの駆け引きで、オフサイドにならず、ちょうどパスが足許に来た瞬間にディフェンスラインと並ぶ絶妙なタイミングで抜け出してスライディングシュート。これは権田修一がファインセーブで食い止めたが、いともたやすいという感じで、一瞬の時間と空間があれば決定的な状況をつくり出すガンバの脅威を、身を持って知る瞬間だった。ガンバは13分にも中央左寄りのスペースに入ってきた家長のえぐる動きを機に波状攻撃を畳みかけるなど、ときおり牙を抜き、これに手を焼く東京守備陣は判断とポジション修正を休める隙がない。

いっぽうの東京はヨコパスを廻すだけでなくウラへの意識を持ち、ロングボール、パス&ゴー、飛び出し、スルーパスを駆使して相手守備陣のサイドにできたスペースなどを攻略していく。これが強い守備意識と重なると高い位置で奪ってのショートカウンター、ハーフカウンターとなり、危険な匂いを漂わせ、積極的で得点も時間の問題と思わせる攻撃を演出する。14分、権田からの長いボールを渡邉→梶山陽平→長谷川とつないでシュートまで持っていくがオフサイドとなったシーンに期待が高まった。17分、ルーカスのミドルシュートは、前回の対戦でも藤ヶ谷陽介から無回転ミドルでゴールを挙げていることを考えれば合理的なもの。選手たちはハードに動きながらも、頭脳を冷まして正確な判断をつづけようと心がけていることがうかがえた。

東京とガンバの攻撃が一進一退、双方にチャンスがある状況がつづいていた21分、ついに待望の瞬間が訪れる。左サイドで高橋秀人→渡邉→太田と連動し、太田が上げたクロスがペナルティボックス内でつぶれた恰好となったルーカスの上をうまく素通り。そこへ右サイドからフリーで走り込んできた徳永悠平が勢いを殺さずそのままダイレクトでボールの落ち際を右足ボレーで蹴り込み、東京が豪快な先制点を挙げた! その後も23分に渡邉が前線でボールを奪い梶山に渡してボックスへと進入させたり、33分にもルーカスのボール奪取から渡邉へとつなぎ、最後はウラへの意識を強く持った長谷川が1対1でシュートするなど、東京の忠実な守備がガンバの隙の多さと相まってチャンスをつくるものの、得点することができない。チャンスに決められないシーンが何度もつづくと悪い結果になりがちな東京は、ピンチを招いてしまう。36分、レアンドロがゴール前で倒れてガンバがフリーキックをゲット。遠藤保仁が蹴ったこのフリーキックを37分、この日シュート0本に終わったレアンドロよりも決定的なポジションでの存在感が目立った家長がヘディングで倒れ込むようにして合わせ、同点に追いついた。前半の45分間は1-1で終わった。

○ランコ ポポヴィッチ監督(FC東京)、ハーフタイムのコメント

・バランスとポジショニングを意識することを最後までやり切ること
・エリア近くで相手にFKをあたえない
・受け身にならず、球際に厳しくアグレッシブに戦うこと

○松波正信監督(ガンバ大阪)、ハーフタイムのコメント

・前だけじゃなくて全体でボールに連動すること
・ボール持ったら、積極的に前へ!!
・攻守の切替をはやくすること

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