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【サッカー書評】勝負のスイッチ【ユーロ2012決勝 スペイン代表×イタリア代表編】(2013/01/16)

○データ
書名 勝負のスイッチ【ユーロ2012決勝 スペイン代表×イタリア代表編】
副題 ~無敵艦隊、圧巻の90分を解き明かす~ (サッカー小僧新書010)
著者 河治良幸
定価 945円(税込)
発売日 2012年8月16日
出版社 白夜書房

FC東京がめざす、自分たちが主体的にボールを動かす戦い方は、日本全体でも流行中だ。トップチームはガツガツとした球際の激しさをクローズアップさせている柏レイソルも、下部組織ではひたすらボールを支配するサッカーをしている。FCバルセロナのみならずバルサの選手を幹とするスペイン代表も発信源となり、クラブレベルと代表レベルでもそのスタイルの有効性を世に知らしめているのだから、無理もない。
ロンドン五輪では若き五輪代表がさんざんな目に遭ったスペイン(村上春樹を愛読するマタは日本に敗れてどんな思いだったのだろうか)もUEFA EURO 2012では見事に優勝を果たした。バロテッリとカッサーノを2トップに戴くイタリアとの決勝戦は4-0という大差がついたが、しかし点差から想起されるほどスペインが圧倒的にボールを支配したというわけではない。
ボール支配率は52%対42%で、シュート数は14対11だった。記録のうえでは極端な差はついておらず、互角にすら思える。
では何が得点を生み、勝敗を分けたのか。90分間をつぶさに洗い直し、局面ごとに再構成したのがこの「勝負のスイッチ」だ。

(残り 2698文字/全文: 3286文字)

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