青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン

「サイドからのクロスに気をつけるよう指示を受けました」(東郷太樹)【無料記事/トーキョーワッショイ!UC】第93回天皇杯二回戦 FC東京対横河武蔵野FC/選手の談話(09/07)[3,264文字](2013/09/12)

◆天皇杯二回戦、横河武蔵野FC選手の談話

昨年につづく「FC東京越え」は果たせなかったものの、ひたむきで粘り強いファイトで強い印象を残した横河武蔵野FC。一年前とは異なりベタ引きではなく、吉田康弘監督の許で今季のスタートから継続してきた、高い位置からプレッシャーをかけるサッカーで延長戦に入るまで東京を無得点に抑えていた。
横河武蔵野FCの選手からは、その手応え、しかしゴールを奪えないままに競り負けたことへの反省が聞かれた。

東京学芸大学出身の右ウイングバック林俊介、早稲田大学出身のセントラルミッドフィールダー岩田啓佑は、それぞれ大学時代のチームメートだった高橋秀人、渡邊千真と言葉を交わしたようだ。このようにカテゴリーをこえて旧交を温めることができるのも、天皇杯のよいところであるだろう。

延長戦の終盤、3バックの右に小山大樹との交替で入ってきたMF登録の東郷太樹はなんと東京ガスサッカー部から今季加入した21歳。現在の東京ガスは東京都リーグ2部で、現在のFC東京の前身である東京ガスFCとは別個のチームだが、鹿児島実業高校から東京ガスという経歴は藤山竜仁とかぶり、FC東京ファンにとっては気になる存在なのではないだろうか。東郷は延長戦の戦い方や、途中出場時の指示などについて答えてくれた。

◯東郷太樹の談話

指示ですか? いつもどおりにやってこい、と。ただ延長後半の最後だったので、競り合いもあり……けっこう相手も間延びして、脚にきている、疲れている状況で、サイドからのクロス一本で失点してしまったので、そういうところに気をつけるように言われました。
(小山大樹選手のときとやり方のちがいを出すようには言われましたか?)
それはなかったです。90分やってきた戦術のなかでやっていくということで。

(残り時間が少なかったので……)
そうですね、やることがかぎられてきた、という感じですね。だから自分のやるべきこと、守備をしっかりとやりながら。
結局、最後はどんどんサイドから攻められてきた。FC東京の攻め方がサイドに行ってから中だということが最後になって見えてきていたので、サイドのケアをしっかり。

(やっぱり守りながら攻撃は前に任せる感じになりましたか?)
あの時間は前とうしろの距離が開きすぎてしまっていて、しっかり守って、という感じになりました。あとはもう、前に預けて。
自分としては(ボールを)獲れたら前に行きたかったんですけれども。

◯岩田啓佑の談話

(水際でFC東京の攻撃を跳ね返す時間がつづき)これはウチのペースだな、と(チームメートと)話していました。絶対に自分たちのチャンスが来ると信じてプレーしていました。
自分たちのサッカーが通用するところは見せられたと思うんですが、やはりJリーグのチームであるFC東京が上回った部分もあり、自分たちにも課題がありました。またがんばっていきたいと思います。
(東京は)一人ひとりが巧く、強く、Jリーグでもトップレベルなのだろうなという印象があります。

最後のチャンスは耐えてたえてようやく出てきたものだったので、シュートを外してしまって責任を感じています。
延長戦を見越した戦い方をしてきて狙いどおりの試合展開だったのですが、相手が上回りました。
昨年とはぼくたちの戦い方が変わってきて、(渡邉)千真も「戦い方を変えてきたね」とハーフタイムのときに話しました。
天皇杯はプロ・アマ関係なくサッカーを通じて真剣勝負ができるので、アマチュアのサッカー選手として貴重な場だと思っています。
サッカーをつづけている以上、来年以降も天皇杯はやってくるので、またこの場に立てるよう練習をがんばっていきたいと思います。

◯林俊介の談話

(失点してから時間がないなか、どうやって点を奪おうと考えていましたか?)
奪ったボールをシンプルに前線につないで少ない人数で速い攻撃、カウンターと、意識を統一してやっていました。
ちょっとシュートは少なかったかなと。やっぱりシュートを撃たないと何も起こらないので。フィニッシュまでいけなかったことは今後の課題になりますね。

(フィニッシュまでいったとなるといちばん最後の小野真国選手のシュートでしょうか……)
そうですね、あれは狙ったところにいきましたね。それと、こぼれ球を拾ってミドル(岩田啓佑)とか。

(獲りどころがハーフウエーラインであったり、昨年よりも高い位置でプレッシャーをかけてリズムを掴むことができたのは収穫ですか?)
前線の選手が積極的にやってくれて、基本的にうしろの選手が声をかけるんですけれども、献身的にやってくれるので、それがいまリズムがいい、いちばんの要因だと思います。

(FC東京相手で通用しなかったところは課題になりますが、この内容を今後のリーグ戦につなげていきたいところなのではないでしょうか?)
これからも継続していくことと、きょうシュートを撃てなかったことがあるのでシュートを撃ちきるというところまでつなげていければ。守備はこれをベースに継続して。
点が獲れていないので、そこの精度を上げていけば(JFLの)上位陣にもいい戦いができるチームになると思います。それが残りのシーズンに於ける課題ですね。

(高橋秀人選手とはなにか話しましたか?)
はい。試合の前とあとに「お疲れさま」と言うくらいでしたけれど。彼にも、突っ込んでもね。「がんばって」と言うくらいです。まあしかし、気合が入っていましたね。

(FC東京のゴール裏に二年連続で呼ばれたのはちょっと複雑なところでしょうか?)
まあ、それよりも、下部組織の人たち、会社の人たち、お世話になっている人たちがみなさん来てくれたので、それが力になりました。選手たちもいつも以上の力を出せたんじゃないかなと思います。

(およそ1,000人の大応援団だったみたいですが?)
毎試合このくらい来ていただけると嬉しいですね。

◯瀬田達弘の談話

けっこう飯塚(渉)が止めてくれたところがあって、やられた感はあったんですけど、最後の局面はみんながからだを張って守っていた。
その(失点の)場面にはちょっと悔やまれるところがありました。(反省は)JFLのピッチで活かしていければいいと思います。

吉田康弘監督になったから七カ月、やっとかたちができてきたかなと思っています。そのいいかたちのサッカーをここで出せたことはよかった。いままで依田監督で六年間やってきて、そこからの半年でここまでできたということは、日ごろのトレーニングの成果なのかなと。

(最後にFC東京のゴール裏に行こうと言ったのは?)
小山(大樹)さんです。向こう(東京ゴール裏)から「来い、来い」と。恒例になっている感じですけど。
今回は負けてしまい、正直あまり行きたい気持ちではなかったのですが、呼んでもらったので。7,000人を超えるお客さんのなかでサッカーができることは、仕事をしながらサッカーをやらせてもらっているので、ほんとうにしあわせだなと感じています。

(震災の年にも節電で全体練習がままならないことや、社業の出張で練習に参加できない苦労などをうかがいましたが、個人的にはどのような状況にあるのですか?)
練習を9時に終わり、会社に戻って12時、1時ごろまで仕事をしたり。出張で練習に出られないときに、出張先にランニングシューズを持っていって走ったり、筋トレしたりして、体調維持に務めてきました。。

(試合後にはスタンドから称賛する反応が多かったようですが、最後まで諦めないひたむきな姿勢が観た人の心に届いたのではないでしょうか?)
ぼくとして本業を持ちながらサッカーをやらせてもらっていることをいつも心に留めて、みなさんに感謝の気持ちを抱きながらやっています。いつも仕事でサポートしていだただいているみなさん、会社の人たちも観に来てくれたので、最後まで諦めないところをお見せしたいと思っていました。

JFLでもここ最近は無失点で来ているので、今後の戦いに活かしていければと思います。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ