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【コメントアーカイヴス】ルーカス、森重真人、三田啓貴、ランコ ポポヴィッチ監督/2013 Jリーグディビジョン1 第27節 大宮アルディージャ対FC東京_第2報(09/28)[5,677文字](2013/09/30)

◆J1第27節 選手、監督の談話

一時は大宮アルディージャに2-1と先行されながら同点に追いつき、勝ち越し、終盤にダメ押しの2ゴールを追加。力強さとたくましさを感じさせる内容でFC東京が四連勝を果たした。

ゴールを決めた攻撃陣のルーカス、三田啓貴、平山相太がすばらしいことはもちろんだが、やはり全員の連携のよさと、連勝中変わらずつづいている試合運びのよさ、落ち着きが勝因だと考えていいだろう。

「まずは守備から入って、チームをもう一回勢いづけようと思っていました」という三田の発言からも一人ひとりの献身的な、ハードワークを厭わない姿勢がうかがえる。この運動量と積極性が根幹にあってチームを進めるエンジンだとすると、操作系にあたる頭脳も冴えてきている。
森重真人は「前半は特にカウンターを受ける回数が多かった。その原因には自分らのバランスが悪かったからということもあったので、それをどうするか、ハーフタイムにしっかりとチーム内で話し合いをすることができましたし、後半はもっとこうしようと修正できた。これがだめなら次はこうしてみようという、そういういろいろなオプションだったり、チームの戦い方に幅があるからこそできたと思います」と言う。いまは相手に点を獲られたからといってそれが致命的な過失であるかのような落ち込み方はしていない。1点ビハインドとなりながらも反発力を示して勝ったことで、チームのよさを表現する結果になった。
殊勲のルーカスも「先制して無失点で勝つことがいちばんの理想ですが、逆転されたなかで勝てたきょうの試合も非常によかった」と言うとおり、先行逃げ切りもいいものだが、逆転勝利により、かえってチーム状態が如実にあらわれたと言うべきだろうか?

ルーカスは「次の試合は(渡邉)千真選手が決勝点を決めてチームを救ってくれるかもしれません」と9番を気遣った。
得点場面だけでなく、その成果を生んでいるチームの基盤にも眼を向ければ、いま東京イレヴンが充実してきていることに納得できるだろう。そういう根にあたる部分が感じ取れるコメントが、試合後のミックスゾーンには集まっていた。

◯ランコ ポポヴィッチ監督の共同記者会見後の囲み取材に於ける談話

――攻守の切り換えが速くなると、奪い返せないと相手のチャンスにもなりやすいのですが、ご覧になっていてそのコントロールは気になりませんでしたか?

「そういう危険性を感じずに試合を終わらせることができればベストなのですけれども、そういう試合はありえないですから。常にリスクを負わなければ点は獲れません。大宮も少し前までは首位に立っていた、連勝記録を持つチームですし、クラブとしての力もあると思います。その大宮が相手ですから、常に危険はあると思います。大事なのは試合中に修正できたところですね。相手にやられたことを繰り返さなかった。やられてしまったところを試合中に修正できた、そこは成長した部分だと思います。
前半にウチがうまくいかなかった時間があるのはたしかです。その時間帯に2失点を喫しているわけですから。しかしそれ以外に崩されたとか、ビッグチャンスをつくられた場面はなかったように思います。逆にうちは得点こそ決められなかったものの決定的だったというチャンスがゴールシーン以外にもありましたし、90分間を通して攻めつづけたのは(大宮ではなく)ウチだったと思います」

――後半に攻撃的な選手を投入したのはFC東京のアイデンティティを示したものですか?

「勝つためですよ。やっぱり勝つために采配をしなくてはなりません。もちろん選手交替でどのカードを切るかの判断にあたってはいろいろなファクターがあるのですけれども、そこの(勝つための)姿勢は絶対に崩さない。
わたしは常々、選手たちに言っています。大事なのは何分出たかではなく、何をしたかだと。それは選手たちも理解してくれていると思いますし、きょう、実際にピッチで見せてくれたと思います」

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