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奥原東京、日本一!【トーキョーワッショイ!UC/詳報】第68回国民体育大会 サッカー競技 少年男子 決勝戦 東京都対大阪府[4,321文字](2013/10/03)

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ゴールとその直後のサブメンバーの結束。これが東京選抜の強さだ

ゴールとその直後のサブメンバーの結束。これが東京選抜の強さだ

 

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◆レポート

3日、味の素スタジアムで国体サッカー少年男子(16歳以下)決勝がおこなわれ、東京都が1-0で大阪府を下して優勝した。

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ガンバ大阪ユースを主体にセレッソ大阪U-18をミックスした日本トップレベルの大阪府(4-4-2、東京都の奥原崇監督は「実際にやってみて皮膚感で一枚、二枚上と感じた」とコメント)に、ゴールキーパー、4バック、ボランチのひとりまでの守備陣をFC東京U-18で構成、横河武蔵野FCジュニアユース出身の小松駿太(高1、横浜F・マリノスユース)を前めのボランチに配し、攻撃陣を東京ヴェルディユース+三菱養和SCユースの相馬勇紀(高2)で組んだ東京都(4-2-3-1)が立ち向かった。

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東京は11番の1トップ神谷優太(高1、東京ヴェルディユース、178cm)がからだを張ってボールを集め、右サイドハーフの相馬がドリブルとランで仕掛け、左サイドからは左サイドバックの相原克哉(高1、FC東京U-18)が積極的にオーバーラップする攻撃が特長。トップ下の14番井上潮音(高1、東京ヴェルディユース)、左サイドハーフのキャプテン田代蓮太(高2、東京ヴェルディユース)、上がりめに出るボランチ小松が構成する中盤とどう組み合わさるか。
序盤は開始1分で右サイドハーフの相馬が切れ込んで右45度からファーストシュートを放つなど東京が仕掛けるが、10分過ぎから大阪が支配。押し込まれる時間帯が多くなるが、一進一退の攻防の末に0-0でハーフタイムへと突入する。

後半は開始2分に大阪8番左サイドハーフの岩本和希(高1、ガンバ大阪ユース)がシュート、6分にも左から右へと展開されたボールをフォワードの小田垣旋(高1、ガンバ大阪ユース)がシュートするなど攻勢を強めるが、いずれもわずかに枠を外れたりキーパーにキャッチされ、得点を逃してしまう。
すると13分、キャプテン田代が短く出したお膳立てのパスからトップ下の井上が鋭いスルーパスを前線に送る。これが全速力で上がっていたボランチ小松の足にぴたりと合った。小松はこのボールを冷静にキーパーの逆を衝いてゴール左隅へ決め、東京がワンチャンスをものにしてついに先制する。

1-0となってからは大阪が次々に決定機を演出する。18分には左から切れ込んできた11番フォワードの岸本武流(高1、セレッソ大阪U-18)がシュートするがクロスバー。24分にも右からのクロスを岸本がヘディングするがこれは左へと逸れていく。

東京は20分、井上に替えて大熊健太をピッチへと送り込む。大熊は相手ボールホルダーに対して重戦車のようにからだを寄せて激しくプレッシャーをかけ、ボールを持てばぐいぐいと攻め上がり、失いかけていた勢いを引き寄せ、大阪の攻撃を凌ぐリズムの構築に貢献した。

何度も外しながらも、いいところに入っていく大阪の岸本。31分には落ちてきたボールに対して芸術的なトラップでコントロール、そのままフィジカルの強さで運んでいきシュートを撃ち、完全に決まったかと思われたが、これもわずかに左に逸れた。
アディショナルタイムにも大阪の猛攻はつづく。目安の3分が経過したあとのラストワンプレー、右コーナーキックからのボールを7番ボランチの市丸瑞樹がシュートするが、無情にもボールはバーの上。タイムアップの笛が鳴ると、最後のシュートを外した市丸ら大阪の選手たちががっくりと崩折れ、東京イレヴンが歓喜の拳を突き上げた。

決して圧勝ではない。しかしベンチメンバーも含めて一丸となったチームとしての強さは、紛れもなく日本一の名に恥じないものだ。
巧い選手を育てるまでの前段階はあっても、勝負にこだわり、勝つところにまで意識を高めたのは奥原崇監督を含め、東京選抜スタッフの功績だと言ってよいだろう。
選手全員が心の底から優勝を喜ぶ姿は、東京都民として、東京のサッカーファンとして、誇れる光景だった。

◆試合後の声

「力のあるチームを相手にどことやってもしっかり粘り強く戦えるイメージでチームづくりをしてきた」と奥原崇監督。そのとおりの大会、そして決勝戦となった。
「このチームのコンセプトを守りながら、強い指示を送ることはなく、それぞれがジャストな判断をしてくれと、昨日から話していました。押し込まれれば守備的になるのも選手それぞれの判断。彼らは勝つためにいい判断をしてくれたのではないかと思います」(奥原監督)

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