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【今週の小平】◆東京の守備が熟成しつつある!?◆高橋秀人に訊く「堅守の心得」[2,714文字](2013/12/27)

◆東京の守備が熟成しつつある!?

前線からプレッシャーをかけにいく基本方針を貫いてきたFC東京。高い位置でのプレッシングに迫力がある反面、後方中央、バイタルエリアとその付近が比較的脆弱であることが気にかかる材料だった。
必ずしもプレスがかかってボールを奪いとれるわけではなく、守備陣型に相手が入り込んできたとき、チャレンジ&カバーの連携や、個の力で止める、いわばノーマルな守備で防ぎきる方策も必要だったが、そこはあまり明確にできていなかったと思う。
それでも昨季を反省し、カウンターへのリスクマネジメントの意識を高めたり、外を捨てても中は締めるなどの試みをつづけてきた結果、じょじょに安定性を増してきた。
特にこのところは心もち引いた位置取りの受け止める守備で失点が少なく、頼もしさや力強さが際立ってきた印象がある。練習でもそうした「ゴール前ではやらせない」プレーでゴールキーパーの塩田仁史にボランチの高橋秀人が「ヒデ、ナイス!」と激賞されることもしばしばだ。
プレスに行く守備もいいが、しっかりと陣型を固めて奪いきる守備もいい。そういう状態になってきている。

試合運びの拙さについてもこれまでさんざん指摘されてきたが、やや引き気味に構えて受け止めてもいい、じっくり時間を使ってもいいという意識が鮮やかになってきた結果、がまんできるようになり、それが天皇杯準々決勝の好結果につながった面もある。
選手はがまんできても観ているほうが焦るような試合内容だったが、選手たちはぎりぎりまで手をつくして後半アディショナルタイムに追いついた。
このあとの準決勝対サンフレッチェ広島戦でも同じがまんができれば、粘り強さ、根気は、いよいよ本物と見てもいいかもしれない。

そうした変貌しつつある東京の「堅守」について、高橋秀人に訊いた。

◆高橋秀人に訊く「堅守の心得」

――最近は少し引いた位置でがっしりと受け止める強さが出てきているように見えますが、ポジショニングやつかまえる意識など、変化はありますか。
「そんなには意識していないですね。ただトーナメントですから、自陣の、相手にとってのアタッキングサードのなかでは、より激しく。そしていつもよりポジションを低めにしてボールを奪いきらないといけない。奪いに行くときと、あえて奪いに行かないで“ぼかす”ところとをはっきりして。うしろで耐えながらも守りぬくということが意識的にできるようになってきていると思います。それは今シーズン後半戦のさらに後半の時期からできつつあることで、サイドバックも自重して上がらずにしっかりと4(バック)+2(ボランチ)で守れるかたちができつつある。それも、勝っている状況だけでなく、常にそういう堅い守りを見せられるようにしていかないといけないと思います。ゴール前で自らが奪いに行くのではないのだけれど、強固なゴール前の守りだねと言われるような姿勢かな……いいときのマリノスはそうですね。去年の仙台とかも。

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