青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン

【プレビュー】◆天皇杯準決勝キックオフ直前プレビュー、広島にはこう戦え/長谷川アーリアジャスール、森重真人、徳永悠平、渡邉千真、石川直宏[3,344文字](2013/12/29)

◆キックオフ直前プレビュー、広島にはこう戦え

サンフレッチェ広島のスタイルはここ数年変わっておらず、また広島に酷似した浦和レッズと対戦する機会もあり、広島型3-4-2-1を相手にしたときの経験値が、FC東京には蓄積されている。東京のファン、サポーターも広島の戦い方はよくわかっていると思うが、あらためて確認していこう。

広島の基本陣型は3-4-2-1。マイボールになるとドイスボランチの一角が下がり(※これは浦和も同じ)、キープ力のある森崎和幸がほぼ最終ラインに近いところでビルドアップの起点となってボールを廻していく。ここから2シャドーにタテパスを入れたり、もうひとりのボランチ(青山敏弘)を経由して前線にスルーパスを出したり、あるいは対角線上の深いところに中長距離のフィードで展開する――といった光景が頻出する。速攻になったときは1トップ+2シャドー、両ウイングバック、そして青山がかさにかかったように攻撃参加してアタッキングサードに進入、分厚い攻めを見せる。しかし右ウイングバックのミキッチだけは、N-BOX時代ジュビロ磐田のように、単独突破からのクロスまたはシュートというシンプルな攻撃パターンを持っていて、ここも警戒が必要だ。また3-4-2-1のフォーメーションはタテにポジションを区切っていった場合に階層が多い構造になっていて、相手のフォーメーションと組み合わさったときに1トップの佐藤寿人が相手最終ラインのウラに突き出ることが多い。佐藤はウラへのボールが蹴り出されると同時にスタートしてオフサイドにかからず最速でウラに出るタイミングを熟知しており、その隙を120分間ずっと狙っている。89分間仕事をしなくとも最後の1分間で点を獲る能力を持つリアルストライカーであり、非常に危険だ。

守備の際には、ランコ ポポヴィッチ監督が「バスを並べられた」と苦々しく評したように、5-4-1のフォーメーションへと変化する。つるべの動きで最終ラインがスライドし、常時4バック以上の枚数を保ったうえで中盤ラインで相手を網にかけるシステムなので穴が空きにくい。攻める対戦相手にとっては厄介だ。

つまり攻撃に於いては相手の守備隊型が整わないうちに速攻で攻めきって点を獲り、引かれた場合は相手の網にかからないよう慎重に時間を使うことが要諦となる。

(残り 2369文字/全文: 3332文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ