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【マッチレポート】レポート/リザルト◆Jリーグヤマザキナビスコカップ/Aグループ 第4節東京対清水、青赤軍団首位攻防戦に敗れる[3,421文字](2014/05/22)

レポート/リザルト◆Jリーグヤマザキナビスコカップ/Aグループ 第4節東京対清水、青赤軍団首位攻防戦に敗れる

5月21日、全国各地でJリーグヤマザキナビスコカップ予選リーグ第4節が開催された。Aグループ1位のFC東京はホーム味の素スタジアムに同2位の清水エスパルスを迎え、2-3の敗戦。首位から陥落し、グループステージ突破に黄色信号が点灯した。

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開始8分、大前元紀がカットしたボールをそのままスルーパス。これを受けて東京最終ラインのウラへ飛び出した高木俊幸が正確な右足シュートでゴール左に決め、清水が早々と先制した。東京も18分、太田宏介からウラに上がったボールをエドゥーが受け、ゴールキーパーを越すようなループシュートで1-1の同点に追いつくが、直後に再び勝ち越される。21分、河井陽介がコーナーキックをショートコーナーで蹴り、これを高木が上げる。するとファーサイドで大前元紀がヘディングシュート。大前は長身ではないが、こういうプレーがけっこうある。
結局、前半は清水のスルーパス+ウラへの飛び出しを防ぎきれず、1-2というスコア以上に東京が圧倒される内容でハーフタイムに突入した。

セカンドハーフはねじを締め直した東京が立ち上がりから主導権を握る。1分、左を突破した武藤嘉紀が深くえぐり、ニアに走り込んできた河野広貴にパス。河野はさわるがしかし、クリーンヒットのシュートとはならなかった。
その後も太田と武藤を中心に左から崩す東京。だがそのリズムがつづいていた後半12分に高木が東京のゴール右を攻略、真横に出したラストパスをゴール前のノヴァコヴィッチが左足で丁寧に流し込んで1-3。東京からすると、この時点で追いつくのが精一杯のゲーム展開だ。

38分には武藤が左サイドを独走する絶好のチャンス。武藤が自分自身でシュートを撃つこともできたが、より可能性が高い、ゴール前にいる平山相太へ。しかしこのパスは「迷ってしまった」と武藤が言うように、考えた結果微妙なタイミングで出されることとなり、平山はシュートできず。このチャンスを逃したことが痛かった。42分には右サイドにいた東慶悟から真横に出たパスを中央のエドゥーが決めて2-3と迫っているだけに、惜しい場面だった。

試合は2-3で終了。東京は首位から陥落、グループ突破のためには、残り二試合を連勝し、ほかのチームの結果を待つほかはなくなった。

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エドゥーまでもが「集中力が足りなかった」と言うほどに、東京は集中力を欠いていた。
平日夜のカップ戦にありがちな弛緩した空気に因われてしまったのだ。

過去の経験から、そういう緩みが生じる可能性があることは、選手も監督もわかっていただろう。だからこそ試合に臨む前に、口々に「重要な試合」と言っていた。しかしその認識があったにもかかわらず、結果は序盤に失点しての敗戦。
もしかしたら緩みはわずかなものであったのかもしれない。しかしささいな差でも、相手の集中力が優っていれば、そのわずかな隙は決定的な傷口になってしまう。

「予選突破に向けてきょう勝てばかなり有利になる」
試合後に清水のトップ下、河井陽介はこう言った。グループ1位と2位の直接対決という「決戦」であると認識していたわけだ。

得点源の長沢駿を失い、清水には危機感があった。その解決策としてのノヴァコヴィッチ1トップ。トップ下に河井が入り、両サイドハーフを大前元紀と高木俊幸が務める。
この布陣は急遽決まったものだという。
「きょうのミーティングでトップ下をやると知ったので準備期間がなかった(苦笑)」

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