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【今週の小平】レポート◆負けられない万博に向け、緊張高まる小平~渡邉千真「どんなかたちであれ点を獲る」/コメント◆塩田仁史、太田宏介、武藤嘉紀、羽生直剛、吉本一謙[3,387文字](2014/05/23)

レポート◆負けられない万博に向け、緊張高まる小平

衝撃の敗戦から中二日。あす5月24日、FC東京は万博記念競技場に乗り込み、ガンバ大阪とヤマザキナビスコカップ予選リーグ第5節を戦う。
第6節がお休みとなる東京にとり、残るナビスコ予選は二試合。Aグループ3位の状態からグループ突破を狙うなら、消化試合数が同じ2位のガンバとの直接対決に勝つしかない。
ガンバは勝点9。東京は勝点7。勝てばひっくり返せる。

対清水エスパルス戦の翌22日をほぼ調整に費やした東京イレヴンは本日23日、公式戦前日にもかかわらず、ミーティングを除いても2時間以上という長さの練習を実施した。非公開だけに内容は謎のベールに包まれているが、あすに向けていろいろと仕込んだことだけはまちがいがないようだ。

万博での対ガンバ大阪戦というと、思い出すのはこの男。

 

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渡邉千真だ。
出場機会が少なかった2012年シーズン、J1第33節、家長昭博の2ゴールで2-1とリードされた後半39分、同点に追いつく渾身のゴールをヘディングで決めた。
その前の第32節、豪雨の味スタでおこなわれた対ヴィッセル神戸戦に後半10分から途中出場し、ボールを転がせずスパイクを持ち上げるのにも苦労する「重馬場」で、空中戦を余儀なくされた浮き球に喰らいつき、重量級の戦いをアピール。その活躍が認められてレギュラー組に編入され、先発の座を掴んだ最初の試合が第33節だったのだ。
渡邉はあのゴールで先発メンバーの座を不動のものにした。

しかし主役となった2013年シーズンは快進撃が夏で止まり、結局リーグ戦17点、ナビスコ1点、天皇杯1点の活躍にとどまった。公式戦でのゴールは2013年11月16日、NACK5スタジアムでの天皇杯4回戦対大宮アルディージャ戦が最後。以来六カ月間。ノーゴールがつづいている。

「前のポジションだから個人的には攻撃的に行きたいですね」と言う渡邉。本日の練習を踏まえ、万博に臨む意気込みを語った。
「どういうかたちでもいいから点を獲ります! ぼくとしてはいろいろな思いが、悔しさがあるので、出場したらその思いをピッチでぶつけたい。あとは“どんなかたちでも”点を獲れるようにがんばります」

万博の先発メンバーがどういう組み合わせになるかは、まったくわからない。しかしマッシモ フィッカデンティ監督は「一週間で三試合は厳しいペース。何かしら選手の入れ替えはある」と明言している。少なくとも前節よりは、渡邉が出場する可能性は高まっていると考えていいだろう。

試合前日にもかかわらず長い時間の全体練習をおこなっていたが、相手への対策よりも自分たちのことに費やす割合が多かったのかと問うと、マッシモ フィッカデンティ監督はそうだと認めた。そこに何かがあるような気がしてならない。

勝つための策を講じる以外に、前節からの修正もうまくいったようだ。
塩田仁史は言う。
「きょうの練習はいろいろな確認ができたのでよかったと思います。オーガナイズの部分をしっかりすればそうは崩れないと思う。まずは原点に立ち返って」

システムや戦術、ポジショニングなどサッカーの中身と、その前提となる姿勢やメンタルと。どちらを重視するかは難しいところだ。あえて言うなら両立できていないといけないだろう。
「ガンバとは2位争いの直接対決ということになる。ガンバに勝たないと鳥栖戦への望みもつながらないですから」と必勝を期す渡邉は、どちらかというと、気迫をみなぎらせていた。

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