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【コラム】対仙台戦を前に◆上位を狙う東京の現在地。羽生直剛の談話から「と言っても、そう長くないので(笑)」(2014/10/03)

◆東京の現在地、羽生直剛の談話から

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アジア大会から野澤英之と中島翔哉が戻ってきた。しかし前線守備の労に消耗するフォワード陣を優先して交替させるとなると、中盤はフル出場せざるをえないだろう。次節、アウエーのJ1第27節対ベガルタ仙台戦も、その可能性はある。ことし35歳になる羽生直剛にとり、この先発フル出場は嬉しい悲鳴なのか、それとも務まりきらない重労働なのか。
「展開によりますね。徳島との試合などは楽でしたけれども、フロンターレ戦のように緊迫した感じで、お互いにずっと隙をつくれないと思っていて、自分たちの時間もあまりない、という試合内容だと疲れます」
次節のJ1第27節対仙台戦は、日曜日の開催とあって前節から7日間のインターバルがある。その後、天皇杯からもヤマザキナビスコカップからも去っている東京は、12日間にわたって公式戦がない。多摩川クラシコのように集中しっぱなしという内容になったとしても、走りきってもらえるだろう。
「でも、ここ何年かに比べたら、免疫はできました」
ヴァンフォーレ甲府では故障に苦しんだ。それを癒やし、先発のポジションもない頃から少しずつ己を高め、ナビスコなどで出場機会を得るとリーグ戦でも貴重な交替カードとなり、ついには先発を獲得するに到った。負荷のかかるトレーニングをこなし、できるぞと証明してのスターティングイレヴン入り。試合になれば、サボれるところではきちんとサボりながら、90分間、要所でハードワークを欠かさない。チームの戦い方を機能させると同時に、すっかり個人としても復調した感がある。

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リーグ戦14戦無敗の内訳は7勝7分け。負けたわけではないが、ここ最近の二連勝の前には四連続の引き分けがあり、ピークに比べればチーム全体がやや調子を落としているように映った。心身の疲労が蓄積したものかどうか。真夏にハードワークを、それもきちんと頭を働かせながらやっていたことを考えれば、疲労が影響していてもおかしくはない。もちろん選手はそれを言い訳にはせず、技術的戦術的な部分に修正に解を求めて立て直した。選手は口々に距離感という言葉を口にしていたが、好調時の堅守はそう意図したときにコンパクトでいられることにもよっていた(意図して間延びさせるのはいい)から、選手同士が適切な距離を保ってバランスをとり、カバーリングに奔走し、緊密なディフェンスを達成したこの二試合に勝つことができたのも、修正がうまくいった結果と考えれば納得はいく。

上位を相手に、勝てなくても負けることがない。悪くても引き分け。順位が同じくらいか自分たちよりも下位の相手には大量得点での勝利。負けなくなってきた。勝利への執着心が強くなってきた。中位のメンタリティから脱しかかっている。そこを認めながらも、羽生はさらにその前を見据えている。
「より結果を求められる。

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