【今週の小平】レポート◆「小平秋季キャンプ」第1クール終了／コメント◆マッシモフィッカデンティ監督、高橋秀人、加賀健一、渡邉千真の談話（2014/10/12）

2014年10月12日 7時36分　
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レポート◆「小平秋季キャンプ」第1クール終了

10月5日日曜日、ユアテックスタジアム仙台にてベガルタ仙台に敗れたFC東京。二日間のオフを経て8日水曜日から小平グランドで練習に取り組むと、11日土曜日に四日間の日程を終えた。最後の11日は当初の予定を変更しての二部練習。ヤマザキナビスコカップと天皇杯それぞれで大会から退いている東京にとっては公式戦のない二週間は、言うなれば小平秋季キャンプ。その第1クールが終わったところだ。

主なトピックスのひとつは、やはり故障者の復帰だろう。戦列を離れていた加賀健一と三田啓貴が全体練習に合流し、石川直宏も別メニューながらトレーニングを開始した。11日はJリーグ・アンダー22選抜に招集された野澤英之（背番号8）と平岡翼（背番号14。なお余談ながら、背番号10をつけているのはFC東京U-18出身の水戸MF二瓶翼である）、それに日本代表の四人が不在だったが、コートは賑やかだった。
「タマ（三田啓貴）とか（東）慶悟が復帰してきてくれたおかげで練習の雰囲気があかるいですね。それは観ていただいて感じられたとおりだと思います」（高橋秀人）

その意味での効果は確かにある。ただし、故障明けの選手たちは、まだコンディションが十分ではない。マッシモフィッカデンティ監督も直近の戦力とは考えていないようで「月曜日にまた全員集まりますから、来週の一週間、様子を見ていきましょう」と、無理はさせず、あくまでも状態を整えていくことを期待しているようだ。
とはいえ、当の本人たちの意気込みは十分。痛みを抱えながらも意識は前向きだ。
五カ月間、全体練習から離れていた加賀は言う。
「予測やポジショニングで頭を使っていけたら、この先フィジカルではなくやっていけると思います」
いまは痛みが出るため、一時的に全速力を出せていない（それでも速いのだが）状態ゆえ、事前の「読み」でその不足を補っている。しかしこのプレースタイルの変化は、加齢とともに恒常的に体力が衰えた場合にも有効で、未来への備えともなる。選手寿命を伸ばす役にも立つのだ。そこまで考えて練習をしている。

トピックスのもうひとつは、そうして各自が課題に取り組んでいたことだ。
短い間隔でリーグ戦がつづくとどうしてもコンディションを考えた練習となり、技術やフィジカルを突き詰める、追い込むといったことがしにくくなる。しかし週末に公式戦がない今週は、そうした追求ができた。
J1第27節対仙台戦で退場処分を受けたエドゥーは次節の対大宮アルディージャ戦を欠場する。故障で平山相太も不在のいま、現有戦力にかかる期待は大きいが、渡邉千真もそれは十二分に承知しているようだ。「まずは大宮戦に勝てるように準備をしていきたい」（渡邉千真）と、シュートの意識とその決定力について、一定の調子を維持している。

ここまで中盤とディフェンスラインとのあいだでバランサーとして機能していた高橋秀人は、もう一段階、上をめざす過程に入った。すなわち、自ら前に出て、あるいは積極的にゲームメークに関わるプレーを加えていこうとしている。
「自分でテンポを変えたり、より前への意識を持ってシュートやスルーパスを重点的にやりました」（高橋秀人）
そのぶんミスも増えたが、マッシモフィッカデンティ監督が率いる東京に於いては、ポジティヴなミスは歓迎されるたぐいのものだ。それに個人のミスは危機回避意識、連携、カバーリング、それらをまとめたハードワークによって補える。個人としてもチームとしても、ミスを乗り越えてそれを取り込む強さを身につけていくべきだろう。
ミスをしない正確さを追求すれば整ったプレーにはなるが、ちいさくまとまる可能性もある。ダイナミックなプレーをしようと思えば、一時的にミスが増えても積極的なプレーをこころがけ、さらに一段階上の正確さに到達する必要がある。その点、この四日間の練習はおおいに役に立ったようだ。もちろん、残りのシーズンを通じても、そうした成長は欠かせない。

台風19号の影響で13日の練習前に予定されていたFC東京パーク府中のサイン会は中止になった。練習そのものも中止や変更の可能性があるが、いずれにしろ、13日からはじまる一週間は「秋季キャンプ」の第2クールということになる。そして週の半ばからは、対大宮戦に向けた直前の準備に入る。
東京は眠らず、小平で成長をつづけている。

コメント◆マッシモフィッカデンティ監督、高橋秀人、加賀健一、渡邉千真の談話

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