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【オフ企画第二弾】羽生直剛で振り返る2014年/03「メンバー外の衝撃」(2014/12/29)

昨日から始まったオフ企画第二弾の第三回。
シーズン半ばからインサイドハーフで多くの出場機会を得た羽生直剛選手にフォーカスし、2014年を振り返っていきます。
J1開幕戦でのメンバー外は、羽生選手にとり、つらい出来事であったようです。

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◆羽生直剛で振り返る2014年/03「メンバー外の衝撃」

 

ナビスコで公式戦初出場初先発。笑みも漏れる3月中旬

ナビスコで公式戦初出場初先発。笑みも漏れる3月中旬

いまでこそ4-1-2-3、河野広貴がトップ下に入ったときは4-3-1-2になるFC東京のフォーメーションはすっかり定着した感があるが、開幕前はそれこそ未完成の印象が強かった。

最終ラインに常に三枚を残し、リスクを軽減するという大きな方針がある。
するとサイドバックはオーバーラップに躊躇する。攻撃参加人数もボールサイドで何人までという縛りがあった。新しいシステムの導入時だけに、まずは約束事を明確にして、その刷り込みに躍起になっていたはずだが、選手の動きは固く、流動的にポジションを変えてバランスをとることがなかなかできなかった。4-1-2-3につきものの、中盤、あるいは逆サイドに空く広大なスペースの処理方法はまだこなれていなかったし、守備から構築していくチームづくりの過程に於いて、攻撃となるとさらに完成度は低かった。

それでもJ1開幕戦は闘争心とハードワークで難敵の柏レイソルを相手にアウエーで引き分けに持ち込んだが、必ずしも満足のいく試合ではなく、選手の表情も楽観的ではなかった。
この開幕戦から第3節までは固定メンバーで今シーズンのやり方を徹底させていったマッシモ フィッカデンティ監督だったが、3月の半ばになると、ヤマザキナビスコカップ予選リーグの初戦で大幅なターンオーバーを施した。森重真人、太田宏介、渡邉千真以外の選手をごっそり入れ替えた先発メンバー。そのなかのひとりに羽生直剛がいた。野澤英之、米本拓司と組む中盤。それまでのリーグ戦三試合でメンバー外だった羽生にとっては、ベンチに入ることすら初めてだった。
この試合に於ける羽生は素人目にも気の利いたプレーでチームに連動性をもたらしていた。羽生はこのチャンスにかけていた。

羽生は腐ってはいなかった。
「基本的にはオシムさんの頃から変わっていないんですけれど……オシムさんは自分の調子が悪いときには使わなかったし、そこ(公式戦のピッチ)にいられない理由は自分自身にある、と思っています。
そこで表現しきれないから、その立場(メンバー外)にいるということが、基本的にはある。監督がどうこうというより、自分が満足してできた練習だったかどうか。そのほうが(メンバーから漏れる理由を占めるパーセンテージとしては)多いし、一日でも多く満足できる練習をしようという意識でやっているので、それは昔もいまも変わらないんです。
要は一日いちにち、しっかり、いっしょうけんめいやっているという姿勢を出して、いいパフォーマンスを持続していると思わせないと、なんというか、元も子もない、嘆いても仕方がない。

(残り 2160文字/全文: 3475文字)

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