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【第5報】Review◆Jリーグヤマザキナビスコカップ 予選リーグ 第2節 松本山雅FC対FC東京/松本の田中隼磨は「紙一重」と自信。残されたフォワード陣を使いきっての引き分けをどう見るか(2015/03/29)

Review◆Jリーグヤマザキナビスコカップ 予選リーグ 第2節 松本山雅FC対FC東京/松本の田中隼磨は「紙一重」と自信。残されたフォワード陣を使いきっての引き分けをどう見るか

やはり登録30選手中8人を欠くというのは尋常な事態ではない。特に平山相太と林容平が離脱しているフォワードは選手層が薄く、ここにどんな手当をするかを含め、運用面が試合の鍵を握ると言っても過言ではなかった。
武藤嘉紀までをも代表招集で欠き、純粋なフォワードと言えるのはセンターフォワードの前田遼一とトップ下の河野広貴のみ。本来はウインガーの石川直宏には「一発」があるが、先日の対ヴィッセル神戸戦での負傷の影響で、最長でも15分間しかプレーできない。中盤の東慶悟をフォワードに起用する策で、マッシモ フィッカデンティ監督はこの困難を打開しようとした。

試合後の共同記者会見で、マッシモ フィッカデンティ監督が感想を述べる。そのあと、他のメディアから質問があるかと思ったが、ない。そこで挙手し、次のように訊ねた。

――石川直宏選手をどこで投入するかはよく考えて試合に臨まれたと思いますが、あのように1点を争う場面で起用する予定だったのでしょうか?

この質問は意外な答えを掘った。フォワード編成の意味である。
マッシモ フィッカデンティ監督は言う。
「河野選手、そして東選手が、あの時間帯、非常にいいプレーをしていました。前田選手は空中戦に勝ったり、前でボールを収めたりすることで、自分たちにとって必要なスペースをつくりだす役割があったんですけれども……石川選手はふくらはぎを故障してコンディションに問題があるなかで調整していった結果が、きょう、10分から15分は出られるんじゃないかという予定でしたから、タイミングははかりました。やはり、みなさんがご存知のとおり、石川選手は少ない時間であっても危険なシーンをたくさんつくりだすことができる選手であるから。きょうも時間が短いなかでクロスやシュートで危険なシーンをつくっていました」

ロングボール合戦も予期したのか、キックオフからある一定の時間までは、前田遼一を必要としたのだろう。練習時に取材した際、マッシモ フィッカデンティ監督は「たとえ点を獲らなかったとしても、献身性をもって勝利につながるプレーをしていたなら、それは評価されるべきだと思います」と言っていた。それは予言だったのか。
前田と石川が交替したのは後半35分。アディショナルタイムが5分になると考えれば、これがぎりぎりのタイミングだ。残されたフォワード陣を使いきった結果のスコアが1-1の引き分けであれば、これはやむをえない結末と言えるのではないだろうか?

ディフェンス面でも、なかなかにうならされる選手選考だった。

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