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【無料記事】この思いよ、トップチームに届け。前節の初勝利を糧にあすの栃木戦に臨むU-23戦士たちの声(3/最終)圍謙太朗「去年の勝っている時期くらいの元気を取り戻すことが、まず大事」(2016/05/01)

前節、対ガイナーレ鳥取戦でFC東京U-23のゴールを守っていたのは圍謙太朗だった。トップチームの第二キーパーとJ3の先発は榎本達也と圍とで分け合う恰好になっている。圍が見た若者たちは、開幕戦で惨敗したあとのときよりも進歩していた。
「いい感じです。見えました、勝ち方。いままででいちばんチームになっています。あのくらいやらないと勝てないんだ、と思いました。そうとうたいへんやな、と。みんなぎりぎりで、100パー(セント)以上を出してやっていたので。終わったあと、ちっちゃいけがですけれど、けが人がたくさん出て……
そのぶん、みんな自信になったんじゃないかと思います。顔つきもちょっと変わったし、インスも点を獲って、だいぶ元気になった。ずうっと元気がなかったのに。
ユース(FC東京U-18)の子も慣れてきて、どんどん喋るようになってきた。マコ(岡崎慎)とか、ユースよりこっち(U-23)にずっといたいというくらい。ここからですね。栃木(SC)、Y.S.(C.C.横浜)と連勝すれば、もうちょい順位も上がると思うので」

圍にとっても汚名返上の重要な機会だった。ACL第5戦対全北現代モータース戦に先発したものの3失点。高さや身体能力を活かして全北の攻撃を止めたいところだったが、結果から言えば失敗に終わった。
「サッカーの悔しさはサッカーでしか晴らせないと、全北戦のあとからずっと思っていたので、早めにその機会がめぐってきて、(失点を)ゼロで抑えることが出来、自分のなかでは吹っ切れました。自分の自信にもなりましたし、課題のところも改善できた。いいアピールができたなと思っています」
東京に移籍してきたばかりの土肥洋一、出場機会を掴み始めたときの塩田仁史と権田修一も、不安定で失点はそれなりにあった。いかにポテンシャルが高くとも、初期状態では安定感はない。失意のままでは困る。実戦慣れをして、後々の機会に備えるべきだ。その意味で、再び訓練の機会が与えられたことは、彼にとって大きな意味がある。

同じく全北との試合で苦い思いをした吉本一謙選手と何か話をしましたか――と訊ねると、圍の口から思いがあふれてきた。
「まず、おれらはここで、ふたりとも二段落ちみたいになったけど、ここでやらないと次はねえから、と話して。絶対に失点ゼロで勝たせようと。林(容平)くんとも(試合の)前の日にずっといっしょにいて、オーバーエイジ3人で『おれらがいちばんやる気があるくらいでやらないと、みんながついてこないから、やろうぜ』と。『うしろはおれとカズくん(吉本)に任せて、前は林くん頼みます』と話をして試合に入りました。カズくんが超よかったです。スーパーでした。全消し出ました。何回も」
終了間際、廣田隆治が放ったシュートに対して寝転ぶようにからだを投げ出したのは吉本だった。こういう熱さ、元気溌溂(はつらつ)さがトップに足らないのではないのか。
「安間さんとミーティングをして、勢いをこっち(U-23)から(トップに)持って行かないと、という話をしました。それが若いやつの特権――じゃないですけれども、絶対に勢いはおれらが出していかないとだめだと思うので。そういうのは、ただJ3でやって終わりではなく、トップに上がるためのJ3だし、チームを強くするため、育成するためのJ3という位置づけだから、そこで得たものをしっかりトップに還元しないといけないね、とう話をしたので、次にトップで出場する機会があれば、そういうところを出していきたいと思っています。練習をやっていても、全然元気ないな、と思うので。そういうところを変えないと、一回勝てたとしても、常に勝つことはできないと思う。去年の勝っている時期くらいの元気を取り戻すことが、まず大事かなと思います」

圍はしばらくJ1とJ3の往復をすることになるのかもしれない。J3に行く度、エネルギーを補給して戻ってくる圍が、トップチームに石炭をくべる係を買って出て、熱さをもたらしてくれることを祈ろう。

 

 

 

 

 

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