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【無料記事】容易ではない残留への道のり。篠田善之監督「何か変わった姿を見せないといけない」(2016/07/28)

ファン、サポーターからの信頼を失っている状況で、ただでさえ容易ではない監督を交替しての残留争いに臨む篠田東京は大丈夫なのか?

ファン、サポーターからの信頼を失っている状況で、ただでさえ容易ではない監督を交替しての残留争いに臨む篠田東京は大丈夫なのか?

まず、FC東京がシーズン途中で監督交替をした年の、その交替後のリーグ戦の勝点と最終順位を見ていただきたい。

2010年
(第23節終了時点16位、勝点21→)11試合 +勝点15/16位降格

2006年
(第17節終了時点12位、勝点21→)17試合 +勝点22/13位残留

降格と残留のちがいはあるにしろ、監督交替前と交替後とで、順位がほとんど変わっていないことがわかるだろう。シーズンが半分を過ぎてからの残りの時間はそう多くはなく、どのような監督が来たところで修正は容易ではない。

現在、篠田善之監督率いるトップチームが取り組んでいる内容は概ねファン、サポーターにも好意的に受け止められるものだと思う。しかしその取り組みがすべてポジティヴな効果を発揮するかどうかは、誰にもわからない。

「新しくやること」と「変えられないところ」のバランスをどう考えているかと篠田監督に訊ねると、こう答えられた。
「もちろん両方やっていかないと意味がないと思っています。結果も求めますし、ぼくのやりたいところも選手に求めていきたい。かんたんではないですね。かんたんにできたら、みんなやっていると思うので」

どうしても定めなくてはいけない基本方針はある。そこは明確だ。篠田監督はベースになるやり方をこう説いた。
「攻守に於いてアグレッシヴに行きたいと選手には伝えました。引いてじっくり待つのではなく、圧力をかけられるように。基本的なスタンスとしては、しっかりボールに行かせたい。今週は守備を重点的にやりました。攻撃は最大限自分たちの持っているものを出すことと、相手の背中をとれるボールを出すことを選手に求めています。
基本的なかたちはこれをしばらく継続しようと思っています」

新しいことに取り組んでその修正に時間がかかるとしたら、いちいちトレーニングで対応していたのでは間に合わない。試合のなかで選手が自ら解決していかなければいけないときが来るかもしれない。たとえば、90分間保たないだろう激しい守備をどうするのか。
「もちろん全部それ(90分間、前からプレス)はできない。引いてブロックをつくる時間帯はどの相手にもあるし、もしかしたら最初からこうなっちゃう(引いて守る)んじゃないかというゲームでも、選手たちがそれを自分たちで感じ取ってすればいいわけで、それをすべてこちらからああしようこうしようと言ったら、(言われるままでは)プレーヤーではない。ピッチの中で解決すべき問題だと思っているので。チームとしてはやるべきこと、相手のストロングとウイークは伝えますけれども、それを臨機応変にできないようなら、選手はピッチに立てない」

問題を解決しながら進む篠田東京に、ファンが不安になることも多いかもしれない。そんなときは小平に自ら赴くか、非公開練習の減少により今後増えるだろう報道を注視してほしい。篠田監督はできるかぎり練習を公開するという方針について、あらためて語った。
「大丈夫です。観ていただいて、理解していただきたい。情報を流していただくのでなければ大丈夫です(※報道陣笑い)。
自分たちが何をしているのかをサポーターのみなさんにも観ていただいたほうが、はっきりすると思うし。ばれたら何もできませんというのであればやる意味がない。隠したところでしょうがない。もちろんセットプレーは(見せられなくて)すみません。(それ以外も)もしかしたらきょうはダメ、と言うかもしれませんよ。でもきょうは、しばらくは、こういう状況でもサポーターのみなさん来てくれてるし。それは走っている姿を観てもらったほうが、応援しがいがあるんじゃないかな、と。
え? (篠田監督の)声が大きい? 聞こえちゃいますか。困りましたね(笑)。どうしましょうか。みなさんに聞こえるということは、選手も、ぼうっとしなければ聞いているということなので、よかったと思います」

「何か変わった姿を見せないといけない」と篠田監督は言う。この状況でファン、サポーターの信頼を得ることは難しく、残留のための修正も易々とは進まないだろう。それでも可能性があるかぎり、現場は戦うしかない。

 

 

 

 

 

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