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【有料記事】4戦3勝1敗の理由、東慶悟「シノさん(篠田監督)が全員に同じ対応をしてくれる」~監督交替直後の名古屋に引導を渡すか、篠田善之監督「相手の勢いを止めるにはこのゲームは重要」(2016/08/25)

サッカーの現場では監督を中心にヒエラルキーが形成される。そうしないと無秩序になってしまうからだが、言い換えれば、監督は25人から30人の選手たちを含むグループを上手に統制しないといけない。しかし選手のモチベーションは出場機会の有無などによって左右され、監督がすべての選手を満足させることはできない。そこで監督と選手のあいだに立つコーチが潤滑油の役目を果たすわけだが、前監督の解任によってコーチが新監督に就任すると、以前とは役割が変わってしまう。
だからだろう、篠田善之監督は、コーチ時代とは異なり、選手とのあいだに一線を引くように明言している。ただ、コーチ時代に培った選手との関係を反故にするというわけではないようだ。篠田監督就任後の、直近の試合で出た課題に取り組み一週ごとに成長していく姿を見るかぎり、そして3勝1敗という結果を踏まえれば、コーチ時代の遺産は利点になっているように思える。

東慶悟は言う。
「シノさん(篠田監督)はコーチだったので、コミュニケーションがとれていた面がある。監督になっても、お互いにいい距離感(心理的な)でやれています。それが戦術なりにいいかたちであらわれればと思います」
J1セカンドステージ第9節、対横浜F・マリノス戦。まだ前半の早い段階で、ピッチ内の選手たちは、左にムリキ、トップ下に東という布陣がハマっていないと悟った。そこで東は、より守備のタスクが増えることも承知で、自身のポジションをムリキと入れ替えるよう、篠田監督に進言した。それができたのも、いまある篠田監督との心理的な距離感によるものだと東は言う。
「そういうコミュニケーションがとれているのが大事なことだと思います」

1節ごとの改善については東も実感していた。選手間のコミュニケーションが活発化したことが大きな比重を占めているが、その土壌を形成するよう促す性質が、現在のチームには備わっている。
「しっかりビデオを観て、いいところは伸ばし、悪いところはこうだったよねと、誰もが言い合える。モリゲ(森重真人)くんは代表ですし、すごくいい選手ですけれども、(そうであっても)ミスを犯すときはある。そこをシノさんがしっかりと言うことによって、

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